高収益と低収益の間にある企業とは
年率5%の成長を半世紀にわたって維持してみせた110ケースの約3分の1は、2000年度から2009年度の加重平均営業利益率が5%以上10%未満のゾーンに収まっている。
これらの企業は、高収益企業の仲間入り(前編記事)を逃したケースと見ることもできるし、逆に低収益企業(中編記事)の仲間入りを免れたケースと見ることもできる。
ゾーンを上半分と下半分に分けるなら、高収益を逃した側になるのは12ケース、低収益を免れた側は26ケースとなる。
高収益企業30社のケースでは、出口時点の売上規模に2兆円の壁が存在した。
唯一の例外は4兆円を超えたキヤノンであるが、そのキヤノンも2010年以降は利益率が低迷し、中程度のゾーンに落ちている。
この中程度のゾーンには、2兆円の壁を突破したケースが8つあるが、漏れなく下半分の免れた側に回っている。成長の結果として2兆円の壁を超えてしまうと、収穫逓減の法則が作用して、高収益は望めなくなるのかもしれない。
逆に上半分の、逃した側の12ケースに注目すると、8ケースまでが5000億円未満、11ケースまでが1兆円未満で終わっている。2兆円の半分にも到達していないのである。
海外進攻が成長エンジンになったケースには、自動車業界に属するものが圧倒的に多い。ここで登場する15ケース中の11ケースが自動車関連である。
中編の記事でも、海外進攻で登場した15ケース中の11ケースが自動車関連であった。
同じ自動車関連で、低収益と中収益を分けるのは何なのだろうか。
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