50年間高成長で収益は中程度の日本企業38社とは 売上規模2兆円超えで収穫逓減の法則が作用?

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高成長、中収益となった日本企業38社とはどんな企業でしょうか(写真:tadamichi/PIXTA)
偉大な経営者たちの着眼点を知り、日本経済を牽引してきた企業110ケースについて学ぶ『企業成長の仕込み方』がこのほど出版された(『経営戦略の実戦』シリーズ2巻)。
母集団836社の中から選ばれた、1965年度期初から2014年度期末までの50年にわたって年率5%以上の成長を遂げた110社とは、どのような企業なのか。戦後日本経営史とも呼びうる内容の本書から抜粋・編集し、3回に分けてお届けする。今回は後編となる。

高収益と低収益の間にある企業とは

年率5%の成長を半世紀にわたって維持してみせた110ケースの約3分の1は、2000年度から2009年度の加重平均営業利益率が5%以上10%未満のゾーンに収まっている。

これらの企業は、高収益企業の仲間入り(前編記事)を逃したケースと見ることもできるし、逆に低収益企業(中編記事)の仲間入りを免れたケースと見ることもできる。

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ゾーンを上半分と下半分に分けるなら、高収益を逃した側になるのは12ケース、低収益を免れた側は26ケースとなる。

高収益企業30社のケースでは、出口時点の売上規模に2兆円の壁が存在した。

唯一の例外は4兆円を超えたキヤノンであるが、そのキヤノンも2010年以降は利益率が低迷し、中程度のゾーンに落ちている。

この中程度のゾーンには、2兆円の壁を突破したケースが8つあるが、漏れなく下半分の免れた側に回っている。成長の結果として2兆円の壁を超えてしまうと、収穫逓減の法則が作用して、高収益は望めなくなるのかもしれない。

逆に上半分の、逃した側の12ケースに注目すると、8ケースまでが5000億円未満、11ケースまでが1兆円未満で終わっている。2兆円の半分にも到達していないのである。

■海外進攻戦略の勘所

海外進攻が成長エンジンになったケースには、自動車業界に属するものが圧倒的に多い。ここで登場する15ケース中の11ケースが自動車関連である。

中編の記事でも、海外進攻で登場した15ケース中の11ケースが自動車関連であった。

同じ自動車関連で、低収益と中収益を分けるのは何なのだろうか。

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