次は、第2巻を飛ばして第3巻の『市場首位の目指し方』に進みました。
第3巻は、使った物差しが占有率です。ここでは占有率の逆転という現象に注目しました。例えばアイスクリームやチョコレートといったBtoCの商品では、シーソーゲームのように、逆転の連続がよく起きます。
ところが、BtoBの世界では、ずっと王者のような存在で安定して1位をとっている企業があり、それがある時を境に、別の企業に首位を奪われるということが起こる。そして、首位を奪った人はその後10年間は王座に就いたまま推移します。
第3巻では、こういう安定的な占有率の逆転という現象に焦点を合わせました。
利益率を物差しに使った第1巻は2015年、占有率を物差しに使った第3巻は2018年に出ています。残る第2巻は、ついに2022年5月に出すことができました。
目覚ましい成長を遂げた企業が約1割
第2巻では成長率を物差しに使っています。
企業成長という現象を測るには、10年、20年を見ても意味がないと考え、1965年度から2014年度までの50年間、半世紀という期間にわたって年次平均成長率が5%を超える企業を総ざらえしました。
第1巻の高収益事業は全部で151見つかりました。これは金融、不動産を除いています。
第3巻の占有率逆転劇は、矢野経済研究所の『日本マーケットシェア事典』をベースにして、998の対象市場から102ケースを見つけました。ここには未上場企業も一部入ってきて、興味深いケースが相次ぎました。
そして成長率を物差しに使った第2巻では、年次平均成長率が5%を超える会社が日本に110社あるということがわかりました。1965年から数えていますので、その時点で存在しない会社は対象外です。母数からみると約1割の会社が目覚ましい成長を半世紀にわたって紡ぐことに成功したということになります。
例えば、信越化学工業、HOYA、三菱地所、トヨタ、日東電工、
その他の企業名は、『
19世紀はロマン主義の時代でした。
19世紀のとば口には、たとえばモーツァルトが出ています。続いてベートーベンも出ています。中盤にはワーグナー、ブラームスが出て、終わりのほうではプッチーニが出ています。百花繚乱です。
人間の持つクリエイティビティが大きく花開いたのが19世紀です。
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