「芸能事務所が映画を作る」レプロが探る新機軸 新人監督の企画に出資して、映画を製作する

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例えば(取材場所となった)ここの「御茶ラボ」などもそうですが、いろんな事業のいろんなデザインも、従来のイメージに寄りすぎないようにしようというのは、ここ数年、意識して取り組んでいます。

ですから「感動シネマアワード」も、もし5年前に始めていたとしたら、もうちょっとスタイリッシュというか、おしゃれなタイトルになっていたと思います。会社としては(2021年に)30周年を迎え、これからの10年、20年をどうしていくのかはさまざまな議論をしました。

既存の考え方にとらわれずに新規事業を立ち上げていく中で、ある意味で自由にやらせてもらっています。もちろん会社に許可をとりつつですが、自分が考えていることや、何をやりたいのかということは尊重してもらっています。

――「感動シネマアワード」には、井樫彩監督、ふくだももこ監督、木村聡志監督、都楳勝監督、飯塚花笑監督、葛里華監督など気鋭の監督たちが集まりました。本プロジェクトのHPに掲載された菊地プロデューサーのメッセージは、閉塞(へいそく)感の中で、それでも新しい才能たちとともに、映画業界の未来を切り開くのだ、という熱い決意を感じました。

ちょうどその文章を書いたときはコロナで映画の撮影が飛んでしまって。そもそもエンターテインメントが生き延びるのか、本当に全部終わっちゃうんじゃないかという危機感がありました。

それでも何かをするとしたら、どういうことができるのか、ということを考えていた記憶があります。

監督にとっても意味のある作品にしたい

感動シネマアワードを手がけるレプロの菊地陽介プロデューサー(写真:筆者撮影)

同世代の映画監督のお話を聞く中で、オリジナルで映画を撮ることの難しさは感じていましたし、日本の映画業界が抱える大きな課題だと感じたので、こういう企画の中で昇華させたいと思いました。

だからこそ俳優だけでなく監督たちにとっても意味のある企画にしないと、新しく取り組む意味が薄れてしまうと考えていました。

監督たちもしっかりと挑戦できる企画にしないと、これから10年、またオリジナル脚本の映画が作れなくなってしまう可能性もあり、そういうことは意識して企画を選びました。

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