「幸福な人」と「不幸な人」を分けるのは何なのか 幸福になることよりも「不幸」に気をつけよ
幸せになりたい。誰もが願うことだが、そもそも「幸福」とは何なのか。「世界最高の知の巨人たちが考えた思考の型が1フレーズですっきりわかる」をコンセプトに執筆された『哲学100の基本』を上梓した著者が、「幸福」とは何か、という根源的な問いについて、哲学者がどう考えてきたか、さまざまな視点を交えて語る。
古今東西、どうしたら幸福になることができるのか、さまざま語られてきました。
「幸福論」というジャンルもありますし、「3大幸福論」と呼ばれる著作も19世紀末から20世紀にかけて書かれています。今日でも、幸福論に関する本がよく読まれています。
しかし、「現代人は幸福論を読むほど不幸なのか?」と疑問に思うかもしれません。
現代人が幸福か不幸かは別にして、すべての人が幸福を求めていることは否定できません。パスカルは、やや皮肉な表現で次のように書いています。
すべての人は、幸福になることをさがし求めている。それには例外がない。どんな異なった方法を用いようと、みなこの目的に向かっている。ある人たちが戦争に行き、他の人たちが行かないのは、この同じ願いからである。この願いは両者に共通であり、ただ異なった見方がそれに伴っているのである。(中略)幸福になることこそ、すべての人間の行動の動機である。首を吊ろうとする人たちまで含めて(『パンセ』)。
たしかに、すべての人が幸福を求めるとしても、「幸福」についての考えは同じではありません。いったい、幸福とは何なのでしょうか?
幸福は幸福感なのか?
幸福について考えるとき、すぐさま思い浮かぶのは、客観的な幸福と主観的な幸福の区別です。客観的な幸福は、幸福のリストが作成されるかもしれません。
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