ポテチやチョコ「加工食品」やめられない怖い理由 ジャンクフード依存になる科学的メカニズム
ギアハートの患者の多くは、糖尿病でも血糖値をコントロールできなかったり、体重が増えすぎたりと、さまざまな健康問題に悩まされているにもかかわらず、こうした食品をやめられないでいる。
対するヘーベブランドは、食品に依存性があるという概念に異論を唱えている。彼の主張では、ポテトチップスやピザは一部の人々にとってはたまらなく食欲をそそるものではあるかもしれないが、依存性物質特有の精神状態の変調を引き起こすものではないという。
ジャンクフード依存を避けるには…
たとえば、タバコを吸ったり、ワインを飲んだり、ヘロインを吸引したりすると、食品では得られない感覚が脳内で瞬時に引き起こされる、とヘーベブランドは指摘する。
「依存性薬物を摂取すれば、ほとんど誰にでも同じような精神状態の変調が現れる」とヘーベブランドは言う。「これは、こうした薬物が中枢神経系に作用していることを示している。しかし、私たちは皆、日常的に高度加工食品を摂取しているにもかかわらず、誰もこうした精神状態の変調を経験していない。脳内で成分が直接作用しているわけではないからだ」。
高度加工食品の摂取を制限しようと苦戦している人々に対して、ギアハートは食事内容の記録をつけるよう勧めている。そうすれば、強い衝動を引き起こし、食べ始めたらやめられなくなるような、とくに依存性の高い食品を特定できる。そうした依存性の高い食品を家に置かず、冷蔵庫やパントリーに美味しくてよりヘルシーな代替品をストックしておくことが大切だ、とギアハートはアドバイスする。
「栄養価が高く、最小限の加工しかしていない食品で美味しく感じるものをエネルギー源として定期的に取り入れること。極めて厄介な食環境で健康的な生活を送るには、そうしたことが重要になってくる」
(執筆:Anahad O’Connor記者)
(C)2023 The New York Times
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