国内最大の日本株投資家となった日銀。異形の所有構造を解剖する。
黒田日銀が推し進めた「異次元緩和」という10年の宴は終わり、金融政策は正常化へ舵を切ろうとしている。この壮大な社会実験は何をもたらしたのか。2023年4月に発足する新体制はどこへ向かうのか。マーケットは、日本経済は、これからどうなるのか。
10%以上を保有「主要株主」水準の企業は68社
日本銀行のETF(上場投資信託)保有金額の合計は、推計時価48兆円(2022年9月)。同月のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の日本株投資額46兆円を抜いて、国内最大の日本株株主となっている。
表はニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストの算出に基づく、個別企業に対する日銀の間接保有割合をランキングにしたものだ。日銀はETFを通じて間接的に日本企業の株を保有している。間接保有割合は、ETFの構成割合から各企業への間接保有額(時価)を推計し、発行株式総額で割って算出している。
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