政策修正に伴う長期金利の上昇が、市場で格好のチャンスとなっている。
「サンタクロース」がやってきた
「黒田サンタからのプレゼント」──英ヘッジファンド大手ブルーベイ・アセット・マネジメントは、昨年12月に行われた日銀の長短金利操作(YCC)に関する修正をこう表現する。
ブルーベイは昨春から日本国債に対し、売り持ち(ショート)ポジションを取ってきた。6月時点では時期尚早とみていったんショートポジションを減らしたが、その後再び10年物国債利回り(長期金利)で、0.21%程度のポジションを積み増した。
サンタクロースがやってきたのは12月20日だ。日銀が長期金利の許容変動幅を0.25%から0.5%程度に引き上げたことを受け、翌日の長期金利は0.48%まで上昇。ブルーベイはそこで大きく利ザヤを稼いだ。同社最高投資責任者のマーク・ダウディング氏は「昨年で最も好調なパフォーマンスの一日だった」と喜びを隠さない。
日本国債のショート、つまりカラ売りは今年も続けるという。ダウディング氏は取材に対し、「各種経済指標やインフレ率の改善により、3月末には利回りの上限が0.5%から0.75%に上昇するとみている。その時点まで日本国債のショートポジションを継続する」と話す。思惑どおりの展開となれば、ブルーベイのファンドパフォーマンスはさらに上昇する(インタビューの全文はこちら)。
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