NTTドコモから「鉄塔」を爆買いする会社の正体 「通信インフラシェア」急拡大の転換点となるか

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ドコモから約6000本の鉄塔を買い取るため、巨額の資金調達を発表したJTOWER。鉄塔を売却するキャリア側と、どんな思惑が一致したのか。

ドコモの鉄塔(左)とJTOWERの看板(右)
2012年に設立したJTOWERは、ドコモから通信用の鉄塔(左)を6000本超買い取り、屋外タワー事業を本格展開する(左写真:JTOWER、右写真:今祥雄撮影)

基地局などの通信設備を携帯キャリア向けに貸し出す、通信インフラシェアリング。国内最大手のJTOWERは2022年11月末、メガバンク3行などからの借り入れなどによって、約1074億円を調達することを発表した。

創業10年、売上高42億円(2022年3月期実績)の新興企業が、これほどの巨費を必要としたのには明確な理由がある。NTTドコモとの間で2022年3月、最大6002本におよぶ屋外の通信鉄塔を1000億円超で買い取ることで合意していたためだ。

シェアリング事業者がここまで大規模にキャリアから鉄塔を買い取る試みは、国内では過去に例がなかったとみられる。

一部の鉄塔はすでにJTOWERへの移管が始まっており、2024年3月期中をメドに順次、引き渡される見通しだ。ドコモは今後も使用料を払ってこれらの鉄塔を通信用に使い続ける予定で、JTOWERは他のキャリアにも利用を促していく。

海外では7割の鉄塔がシェアされる例も

通信インフラシェアリングとは、従来キャリア各社が整備・保有してきた通信設備を共用化する取り組みを指す。シェアリング事業者は、キャリアから買い取ったり自前で建設したりした屋内・屋外の基地局などの通信設備を保有・管理し、複数のキャリア向けに貸し出して利用料を徴収する。

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