人事制度大転換、NTT現役社員たちの戸惑いと本音 抜擢人事は一握り?「新制度は骨抜き」の懸念も

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実力主義を掲げた新人事制度の導入が目前に迫るNTT。“安定志向”が代名詞だった巨大組織の現役社員たちは、複雑な心境を抱えている。

旧来型の人事制度からの脱却は「必然」ととらえるNTT社員が多い一方、若手社員からは「抜擢されても困る」と戸惑う声も。写真はイメージ(撮影:今井康一)

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数十年に一度の人事制度改革が進む、NTTグループ。専門性を重視した実力主義を掲げ、脱・年功序列へと舵を切った(制度改革の詳細はこちら)。
NTTの代名詞と言えば、元国営企業ならではの“お役所体質”や”安定志向”を思い浮かべる人は多いだろう。それが転換点を迎えた今、30万人超に及ぶ社員らは何を思うのか。一般社員から管理職まで、幅広く話を聞いた(個別取材を基に座談会形式で構成)。
Aさん:NTTドコモ・課長
Bさん:NTT東日本・係長
Cさん:NTTデータ・一般社員
Dさん:NTTドコモ・係長

――人事制度改革をどう受け止めていますか。

A 僕はポジティブにみているよ。NTTはこうした改革に着手するのが遅すぎた。GAFAなどの世界企業と戦うようになる中、評価基準を世界標準に合わせるという意味でも必然の流れだろうね。

新規事業開発の部署にいたときは、経験やスキルのない人が上に立つと本当にやりにくかった。優秀な人材がしかるべき地位に就くための改革で、一部の人が言うような「人件費削減」が狙いではないのでは。

B 自分もそう思うな。年功序列からの脱却は、人材のつなぎとめや中途採用の拡大にも一定の効果がありそう。

最近は新卒で入社しても辞めていく若手が多いんだよね。転職先は、技術系はGAFA、事務系はコンサルが多い。社内政治や年功序列の意識が面倒くさくて、それに疲弊しちゃうみたい。これはNTTのどのグループ会社も同じじゃないかな。

「専門性を持て」と言われても…

C 僕のような若手にはメリットが多いと感じているね。出世できる可能性が出てきたのもそうだけど、毎月の家賃補助の金額が増えるようになったのもよかった。支給対象は45歳までから35歳までに短縮となったけどね。

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