実力主義を掲げた新人事制度の導入が目前に迫るNTT。“安定志向”が代名詞だった巨大組織の現役社員たちは、複雑な心境を抱えている。
Bさん:NTT東日本・係長
Cさん:NTTデータ・一般社員
Dさん:NTTドコモ・係長
――人事制度改革をどう受け止めていますか。
A 僕はポジティブにみているよ。NTTはこうした改革に着手するのが遅すぎた。GAFAなどの世界企業と戦うようになる中、評価基準を世界標準に合わせるという意味でも必然の流れだろうね。
新規事業開発の部署にいたときは、経験やスキルのない人が上に立つと本当にやりにくかった。優秀な人材がしかるべき地位に就くための改革で、一部の人が言うような「人件費削減」が狙いではないのでは。
B 自分もそう思うな。年功序列からの脱却は、人材のつなぎとめや中途採用の拡大にも一定の効果がありそう。
最近は新卒で入社しても辞めていく若手が多いんだよね。転職先は、技術系はGAFA、事務系はコンサルが多い。社内政治や年功序列の意識が面倒くさくて、それに疲弊しちゃうみたい。これはNTTのどのグループ会社も同じじゃないかな。
「専門性を持て」と言われても…
C 僕のような若手にはメリットが多いと感じているね。出世できる可能性が出てきたのもそうだけど、毎月の家賃補助の金額が増えるようになったのもよかった。支給対象は45歳までから35歳までに短縮となったけどね。
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