脱皮を急ぐ「NTT東・NTT西」微妙に異なる現在地 西日本の「異例トップ人事」に透ける危機感

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光回線や固定電話を手がけるNTT東日本とNTT西日本。祖業からの脱皮を急速に図ろうとしているが、両社はそれぞれ違った課題を抱えている。

地域通信会社のNTT東日本と西日本。事業構造改革を進めるが、収益性や非回線事業の割合などの面では違いがある(左写真:ヒラオカスタジオ撮影、右写真:今井康一撮影)

NTTグループの中核を成す2社が、“脱皮”に向けてアクセルを踏み込んでいる。

全国に張り巡らされた回線網を使い、17都道県を管轄するNTT東日本と、30府県をカバーするNTT西日本。2021年度の両社合計の営業利益は4399億円と、グループ内ではNTTドコモ(1兆0725億円)に次ぐ稼ぎ頭だ。

東日本と西日本は1999年のNTT再編に伴い、当時は事業会社だったNTTの一部を分割継承する形で発足した(以降、NTTは純粋持ち株会社に移行)。そうした経緯もあり、両社はグループ内でも「筆頭格」の企業として扱われる。

西日本トップに海外畑の人物を抜擢

そのトップが6月末、4年ぶりにそろって交代した。新社長に就任した東日本の澁谷直樹氏(59)と、西日本の森林正彰氏(60)は、ともに1980年代半ばにNTTに入社したグループのプロパーだ。

直近まで親会社NTTの副社長だった澁谷氏は、もともと東日本での勤務経験が長く、過去に同社の中期経営戦略推進室長や副社長も務めてきた。NTTらしい順当な人事と言えるだろう。

サプライズは西日本だった。森林氏は若手時代を除けば西日本での勤務経験がなく、現場からは「就任記者会見まで名前も顔も知らなかった」(NTT西日本の中堅社員)との声が聞かれる。

森林氏の前職は、海外通信事業を手がけるNTTリミテッドの副社長。これまでNTTヨーロッパの社長などを歴任し、キャリアの大半を海外で過ごしてきた。地域密着をうたって30府県の通信事業を展開してきた西日本ではこれまで、同社での勤務経験が長い人が歴代社長を務めてきた。

なぜ海外畑の人物をトップに据えたのか。背景には、西日本が抱える危機感と、東日本との意外な差が透けて見える。

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