巨艦NTTが「年次主義」の人事制度で痛感した弊害 管理職の働き方はすでに「ジョブ型」へ移行

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人事制度改革で年功序列の廃止を打ち出したNTT。すでにジョブ型へと移行した管理職に続き、2023年4月から一般社員の人事評価の仕組みも大きく変わる見通しだ。

NTTは2023年から一般社員向けに新たな人事制度を導入する。写真はNTTの決算資料(編集部撮影)

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日本型企業の典型とされるNTTが、大胆な人事制度の転換を決めた背景にある危機感とは。新たな制度の運用に当たってハードルはないのか。NTTの総務部門長、山本恭子執行役員に聞いた。

役所の年次主義を引きずっていた

――2023年度から人事制度が大きく変わります。発端は現場の声だったのか、それともトップダウンでの判断でしょうか。

これはもう、経営側のウィル(意思)。会社の戦略と人事をより密接に結びつけていかないと、競争には勝っていけない、という考えが根底にある。

外部環境がこれだけ変わる時代になると、戦略を実行するスピードや実行力が問われる。会社が目指す方向、戦略を最も実現できる体制を作るために、今までのやり方を崩して、できる人は年齢、年次に関係なく抜擢しやすくしよう、と。

NTTでは入社年次が重視されてきたが、管理職も一般社員も共通しているのは「脱・年功序列」だ。管理職はすべて2021年10月からジョブ型に移行した。戦略を実行するうえで必要なポストを設計し、そこに最適な人をアサインする発想に変えている。

一方で一般社員は新制度でもメンバーシップ型(職務内容を限定せず、配置転換を行う)。課長やマネジャーになるまでの間は、実力をつけて専門性を高めてもらう。ただ、入社した順番ではなく、高まった専門性を基にいろんな仕事をできるようになった人から昇格できるようにする。

――これまで制度の弊害はどういったところに?

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