地銀はなぜ、外債投資で「失敗」を繰り返すのか 含み損を抱えたまま、「買い時」を逃している

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地方銀行の看板
直近の地方銀行の決算では有価証券運用の含み損が目立った(編集部撮影)

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海外金利の上昇で金融機関が保有する外国債券(外債)の価格が下落し、多額の含み損が発生している(1位はマイナス640億円、地銀「含み損」ランキング)。
中でも影響が懸念されるのは経営規模の小さい地方銀行だ。外債は原資となる外貨の調達コストがかさむ。運用利回りとの逆ザヤを回避すべく、含み損を抱えた外債を手放して多額の損失を計上した銀行も少なくない。
地銀の外債運用が抱える課題とは何か。静岡銀行で市場運用に長く携わり、現在は地銀に対して運用の助言を行う和(なごみ)キャピタルの小栗直登社長に聞いた。

――地銀が保有する外債の含み損が膨らんでいます。

低金利の円債ではインカムゲイン(受取利子)が取れないため、地銀は相対的に利回りの高い外債への投資を進めていた。2021年であれば、(10年物の)米国債は1%程度の利回りが取れていた。

金利が上がったとしても。2%強で天井を打つだろうという見立てが主流だった。FRB(米連邦準備制度理事会)は物価上昇率の目標を2.5%に据えていたからだ。その程度の金利水準であれば、外債運用に問題は生じなかった。

ところが、ウクライナ情勢で状況が一変した。FRBが0.5%や0.75%という大幅な利上げを繰り返した結果、10年債の金利は4%前後まで上昇した。利上げのペースが急速だったので、地銀が投資した米国債の含み損も大きくなった。

含み損や売却損が発生すること自体は仕方がない。問題は、金利上昇によって利回りが高くなった外債への投資を控えてしまうことだ。

売却損を出して決算に影響を出るのを嫌う

――なぜでしょうか?

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