金融庁がある審議会で名指しした3つの金融商品。仕組み債に続く新たな標的になりかねないとして、金融機関側に身構える動きが強まっている。
9月26日に金融庁が開催した「顧客本位タスクフォース」。金融機関による商品選定や勧誘のあり方を議論するこの会議で配られた資料で、商品性や営業手法に問題を抱えているとして、3つの商品が名指しされた。仕組み債、外貨建て一時払い保険、そしてファンドラップだ。
このうち仕組み債と外貨建て一時保険は、元本毀損リスクや販売手数料の高さを金融庁がかねて問題視しており、すでに金融機関へのヒアリングに乗り出している。
3つの商品の中で唯一、金融庁が8月に公表した「2022事務年度金融行政方針」で具体的な監督方針を打ち出していないのがファンドラップだ。今回、仕組み債と並んで取り上げられたことで、「次に狙われるのはファンドラップか」と、金融業界では身構える動きが出ている。
契約件数、金額ともにうなぎ登り
ファンドラップとは、顧客が金融機関に資産運用を「一任」するサービスだ。顧客が求めるリターンや許容できるリスクを基に金融機関が資産配分を考え、投資信託の売買や運用を行う。
元々は富裕層向けサービスだったが、取り扱い金融機関の増加やマス層への普及によって、契約件数と金額はともに右肩上がりだ。10年前に6000億円に満たなかった市場規模は、今や13兆円を超えるまで膨らんだ。
新たな鉱脈に沸く金融業界にクギを刺したのが、金融庁が2022年5月に発表した「資産運用業高度化プログレスレポート 2022」だ。レポートの中で金融庁は、ファンドラップ特有の「手数料の高さ」を指摘したのだ。
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