契約者からの苦情が絶えない外貨建て保険の実態を探る。
円を米ドルや豪ドルなどの通貨に替え、外国債券などで運用する外貨建て保険。日本の金利が低空飛行を続け、円建ての貯蓄性(投資性)保険の魅力が薄れる状況で、2010年代後半以降、外貨建て保険には一気に資金が流れ込み、販売額が最も多かった18年度では4兆円に達した。
市場が拡大する一方で、急増したのが外貨建て保険の主要な販売業者である銀行への苦情だ。「定期預金だと思っていたら、いつの間にか外貨建て保険を契約していた」「元本割れする商品だという説明を聞いた覚えがない」など、投資性商品であることを後から知った、というケースが散見される。
外貨建て保険をめぐる苦情の件数は、19年度まで右肩上がりに増えている。20年度はコロナ禍の影響で、銀行での対面販売が難しくなり、新規契約そのものが急減したことで苦情も減った。だが、「引き続きほかの保険商品よりも苦情発生率は高い」と金融庁は指摘しており、改善を強く迫っているのが現状だ。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
無料会員登録はこちら
ログインはこちら