組織風土、出世のおきて、結婚事情。日銀職員のキャリア人生を追った。
日本銀行とはどんな組織か。職員のキャリア人生は。ベールに包まれたそのリアルを、関係者の証言を基にたどってみた。
今ここに、総合職として新卒採用された平均的な日銀職員がいると想定しよう。本店の住所から、本石君と名付ける。
本石君の出身は東京大学だ。年間採用数約150人のうち、東大は平均して最も多くの職員を輩出する。下表は日銀の採用上位校。特定職(官庁でいうノンキャリア)や一般職を含んでも、東大は最多だ。
振り出しは全国32の支店
本石君と同じ東大出身の日銀元職員は、公益に資する仕事に就きたいと中央省庁なども志望していた。最終的に日銀に決めたのは「面接官の、度量深く、とことん議論することを好む様子が好印象だったため」と語る。
新人研修を終えた本石君がまず配属されるのは、全国32の支店である。そこで地域の産業調査や統計作成、発券業務などの基本的な仕事を体験する。地元の盆踊り大会に参画するなど、地域行事振興への貢献も重要な任務だ。そして1年半程度で本店へ戻る。
配属先の支店で、本石君はフィアンセを見つけるかもしれない。
日銀は行内結婚が多いことで知られる。本店よりもアットホームな雰囲気が漂う支店では、定期的な飲み会、週末のイベントもしばしば。行員間の交流も自然と深まる。行内結婚をした、ある男性元職員は話す。「男性も女性も優秀で人格的に優れた人が多い。尊敬できる人と、身近で自然に出会える環境というのは大きい」。
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