ポスト黒田を投資のプロはどう織り込むか。2023年相場を予測。
日本銀行の新体制が発足した暁には、利上げなど出口戦略への転換が予想される。その際、無視できないのが株式市場への影響だ。
現に2022年12月20日、長期金利操作の許容変動幅を従来のプラスマイナス0.25%から同0.5%に引き上げると日銀が発表したときは、日経平均株価は前日比669円安の2万6568円に下落した。23年はいっそう、日銀の一挙手一投足に市場の注目が集まる。
「ポスト黒田」相場をどう見通すか。ピクテ・ジャパン投資戦略部ストラテジストの糸島孝俊氏は、5〜6月あたりに日経平均が2万4000円程度まで下がるのではないかと予想する。
調整局面が「絶好の買い場」
米国の金融引き締めや米中摩擦の影響で、年間を通して上値が重い中、4月に就任する新総裁が1〜2カ月かけて金融政策を点検するだろうと糸島氏はみる。これに基づき、異次元緩和脱却の政策スタンスが示されたタイミングで、株価に大きな調整が入るというシナリオだ。
この悪材料を織り込んで相場は底を打ち、年末にかけて2万7000円前後まで反発の余地があると予想する。ゆえに糸島氏はこの調整局面が「絶好の買い場」になるだろうと話す。ただ、出口の見えない米中摩擦に加えて企業業績へのインフレ影響など日銀以外の側面で不安材料が散見され、2万9000〜3万円超えは期待薄という考えだ。
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