25年間「英語辞典"一筋"」だった彼の驚きの現在 なぜ50代にして「キン肉マン図鑑」を作ったのか

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『キン肉マン「超人」』『キン肉マン「技」』など話題作を次々手掛ける芳賀靖彦氏。意外にも入社から25年間は、辞典編集者として仕事をしてきたといいます(撮影:今井康一)
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1979年から40年以上にわたって愛されているロングヒット作品『キン肉マン』。そのファンを中心にSNSなどで大きな話題となったのが、『学研の図鑑 キン肉マン』シリーズだ。年間3万~5万部を売ればヒットという図鑑業界で、2019年に刊行された『キン肉マン「超人」(学研の図鑑)』は10万部のベストセラーを記録。2022年9月にはファン待望の2作目『キン肉マン「技」(学研の図鑑)』が刊行され、初版7万部を記録した。

本シリーズを手がけたのは、教育サービスなどを中心に出版物の発行事業を展開する「Gakken」のコンテンツ戦略室・芳賀靖彦氏。意外にも入社から25年間は、同社の辞典編集者として英語辞典を作り続けてきたという。

「1990年代以降、電子辞書の登場で紙の辞典のシェアが激減していきました。私が入社した当初は20名以上が辞典編集部に所属していたのですが、若手の補充があまりないまま年長者が定年退職していき、半分近くまで少なくなって……『舟を編む』のような雰囲気、と言えば想像しやすいかもしれません(笑)」

子供はもちろん、大人の読者にも大反響の3冊(撮影:今井康一)

英語辞典を作っていた彼が、なぜイメージの異なる『キン肉マン』の図鑑を作ったのか。そして、ヒット本を連発するエース編集者になったのか。その数奇な半生を聞いた。

テニス雑誌の編集者になるつもりが…辞典編集部の英語辞典チームへ

類を見ないキャラクターの豊富さ、個性豊かな数多の“超人”たちがリング上の戦いで繰り広げる技の数々などが魅力の『キン肉マン』。父親の仕事の関係で2歳から8歳までアメリカのヒューストンで過ごした芳賀氏が、同作と出会ったのは小学4年の頃だった。

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