マック「値上げの成否」が日本経済の命運を握る訳 ハンバーガーの値段は150円から170円に

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さてこの100円メニューの消滅はあくまで日本マクドナルドの目玉商品の価格が正常に戻ることを意味しています。一方、グローバル経済ではマクドナルドの看板メニューであるビッグマックの価格を比較することで世界経済の指標としてとらえることがあります。

なぜビッグマックが経済指標になるかというと、ビッグマックには小麦、牛肉、レタスといった原材料価格、調理に使われる電気やガスの価格、その国の人件費水準、そして一等地の不動産価格が織り込まれるので、一国の経済を象徴する経済指標にしやすいのです。

ビッグマックは昨年9月までは据え置きで390円という時代が長く続いてきました。それが9月、そして今回の2023年1月と段階的に値上がりして新価格は450円になります。この値上げがもし成功すれば、企業戦略としてはなかなかよい値上げ幅です。

というのも、390円から450円への値上げでトータルの値上げ幅は15%強になるからです。この値上げは直近の2022年11月の日本の企業物価指数の値上がり幅9.3%を5ポイント以上上回ります。

「賃上げ余力を確保できる」値上げに踏み切った

2023年の日本経済が成長するためには昨今のインフレを上回る賃上げが必要だとされています。

連合は2023年の春闘で「5%程度」の賃上げを求めています。経団連に加盟しているほどの大企業であればなんとかなるかもしれませんが、中小企業となるとなかなかそういうわけにはいきません。そして正社員ではない非正規労働者の場合は、それ以上に賃上げは厳しい状況になることが想像できます。

その中で、日本でも最大級の非正規労働者の雇用者である日本マクドナルドが賃上げ余力を確保できるレベルでの値上げに踏み切ったというのが今回のニュースの核心だと私は捉えています。この値上げの成否が2023年の日本経済を左右するかもしれません。

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