【歯周病】40代で5割も、「きつい口臭」には要注意 歯を失う原因の1位「体質的な問題」も明らかに

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厚生労働省の報告によると、20代で歯肉に炎症がみられる人の割合は、以前よりは減少しているものの、約2割にのぼる。つまり5人に1人が歯茎に問題が生じていることになる(2018年)。40代だとなんと5割弱にもなる(2016年)。

さらに近年、遺伝や体質的に歯周病になりやすい人がいることもわかってきている。二階堂さんが紹介するのは、1970年から15年間にわたって行われたスリランカでの調査だ(スリランカ・スタディ)。

これはスリランカの住人約500人の口腔状態を15年間にわたって追跡調査したもの。当時、この地域は歯磨きの習慣がなく、歯科医もいなかった。そういう状態で歯周病がどう進行したかをみていった。

その結果、ほとんどの人が歯周病になったものの、あまり進行しなかった人が11%、普通に進行していた人が81%だった。一方で、8%は歯周病が急速に進行し、40代で歯がほとんどない人もいた。

「歯周病になりやすい遺伝、体質についてはさらに詳しい研究が待たれますが、このデータによって歯周病のなりやすさは個人差があることが示されました」(二階堂さん)

いずれにせよ、自分がどういう体質を持っているかを知るためにも、定期的に歯科健診を受けたほうがいい。先の調査では、20代で過去1年間に歯科健診を受診した人は、2015年が43.3%。2009年が29.4%、2012年が37.7%なので、年々増加しているのだが、それでもまだ半分程度だ。

重度歯周病には手術が必要なことも

歯周病の進行度は歯周ポケットの溝の深さで確認できる。プローブと呼ばれる細い器械を歯間に挿入して、どこまで入ったかで進行度をチェックする。2〜3mmが軽度、4~5mmだと中等度、6mm以上だと重度とされている。また、このとき歯茎から出血したかどうかも大事な指標となる。

歯周病の対応には以下の3つの段階にわかれる。

・ブラッシング指導
・スケーリング(歯石の除去)、ルートプレーニング
・外科手術による再生療法(必要に応じて)
・メンテナンス

ブラッシング指導は、歯科衛生士が患者に歯磨きのやり方を教えること。しっかり磨いたつもりでいても、意外と磨けていないことが多く、細菌の固まりであるプラーク(歯垢)が残っていることが多い。鏡を見ながら実際に歯ブラシを使っていくことで、自分の歯磨きの弱点(磨けていない場所など)を発見することができる。

ただ、重度歯周病の原因となる歯周病菌の多くは、空気があるところでは棲息できない嫌気性菌で、歯周ポケットの深い部分に存在するため、歯ブラシでは届きにくい。歯磨きだけではプラークは十分に取りきれず、それだけで歯の健康を維持することは難しい。

そこで行われるのが、スケーリングやルートプレーニングだ。

プラークは時間が経つと石灰化して歯石となる。そこで歯の根元に付着した硬い歯石を、スケーラーという器具を使って削り取っていく。その後、ざらついた歯の表面をルートプレーニングでなめらかにする。これによって歯の表面と歯茎との密着性が高まる。

3つめの段階の歯周再生療法は、歯周ポケットが6〜7mm以上の重度の歯周病の人を対象とする最先端治療だ。

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