どちらも帯に短し、たすきに長し。全世界で新たな経営のバイブルとなっている『リデザイン・ワーク 新しい働き方』著者のリンダ・グラットン氏は、「コ・クリエーション」という第3の方法が、改革のカギになる、と主張する。
トップが笛を吹いても社員は踊らない?
イノベーションが停滞し、仕事の構造を改める必要性が明らかなとき、どんなことが起きるのか。こうしたことに関して言えば、よく練られた勤務スケジュールを確立し、現場レベルのマネジャーに高度なスキルと共感能力を持たせることは極めて重要だ。
しかし、日々うまくいくかどうかは、社員にかかっている。社員が好意的な態度で臨み、トラブルが起きても前向きな気持ちを失わないことが重要なのだ。では、社員が未来に対して、そして変革の旅路に対してそのような精神を持つためには、どうすればいいのか。
変革のマネジメントにおける古典的なアプローチは、トップダウン型だ。このやり方には、方針が明確になること、目的がブレないこと(メッセージがひとつだけだからだ)、迅速なコミュニケーションが実現すること(ひとりから大勢へのコミュニケーションだからだ)といった利点がある。
実際には、期待どおりの一貫性とスピードが実現しないケースが少なくない。その一因は、社員が必ずしもリーダー層のメッセージを受け入れていないことにある。
言葉自体は聞いていても、その言葉に従って行動していないのだ。仮に行動していても、受動的な抵抗がかなり見られる場合が多い。
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