CO2増で温暖化進むと思う人が科学的にマズい訳 政界・経済界のみの都合で決めるのはとても危険
産業革命以降、二酸化炭素の濃度が急上昇している、と述べました。ではなぜ、二酸化炭素が増えると地球温暖化が起きるのでしょうか。二酸化炭素の何が問題なのかについて説明しましょう。
二酸化炭素には、電磁波の1つである赤外線を吸収するという性質があります。太陽エネルギーは赤外線を含みますから、二酸化炭素に吸収されます。
具体的な例でいえば、夏の日に自動車を屋外に停めておくと、車内が高温になります。これは、窓ガラスを通過して入った太陽エネルギーの一部が車内に閉じ込められ、窓の外に出ていかないため、容易に高温になるという仕組みです。
同様に野菜や植物の温室栽培やビニールハウス栽培も、こういった効果を利用したものです。二酸化炭素以外にも空気中にある水蒸気、メタン、フロンなどが同じ働きをしますが、それらを含めて「温室効果ガス」と呼ばれています。
これらの温室効果ガスが大気中に多く含まれると、宇宙に放出されるはずのエネルギーがそのまま大気中に蓄積して、地上の温度を上げていきます。そのため、大気中の二酸化炭素の量が増えれば、それだけ地上の気温が上がるというわけです。
以前、缶のスプレー剤にフロンガスが含まれていることが社会問題になったことがありました。これも、オゾン層を破壊するフロンガスを減らすために登場した「代替フロン」が、今度は温室効果ガスとして問題視されるようになったのです。つまり、結果として温室効果ガスが大気中に撒かれるということで、新たな環境問題を生み出してしまいました。
地球温暖化が進むと熱帯低気圧が減る理由
太陽エネルギーの収支バランスに狂いが生じ、地上にエネルギーが溜まり、気温が上がり続ける、すなわち地球温暖化が進むと、さまざまな現象が生じます。
例えば世界気象機関の会議での報告によると、台風の卵ともいわれる熱帯低気圧の発生数が最大で3割ほど減るといいます。熱帯低気圧は、海面と上空の温度差によって発生します。海水が温められると上昇気流が発生し、それが熱帯低気圧となります。上昇気流が生まれるためには大気との温度差が必要ですが、温暖化によってそもそも大気が暖かくなるために温度差が小さくなり、上昇気流の発生も弱くなる、という理屈です。
太平洋、大西洋などの大洋ごとの発生確率を見ると、熱帯低気圧が減る地域と増える地域に分かれるというシミュレーション結果が出ています。太平洋の北西部では、3割以上減るのに対し、大西洋の北部では6割増えるというのです。とはいえ、こうした予測はまだ研究段階にあるようです。
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