CO2増で温暖化進むと思う人が科学的にマズい訳 政界・経済界のみの都合で決めるのはとても危険
一方、温暖化によって海面温度が上昇することで水蒸気が多く発生し、その結果、積乱雲ができる頻度が増えます。さらに、熱帯低気圧が巨大化する可能性も高まります。
熱帯低気圧から発達して台風になりますが、海面温度が2℃高くなると、台風のエネルギーは最大2割増しになり、降雨量も3割増える、という予測もあります。これらは最速のスーパーコンピュータによる膨大な計算結果が導いた研究成果です。
現に、最近の台風は大型化しているようです。例えば2019年10月に発生した台風19号や20年9月の台風10号は非常に大型で、大規模な河川氾濫をもたらしたことは皆さんの記憶にも新しいでしょう。記録的な豪雨やいわゆる「ゲリラ豪雨」も各地で発生し、土砂崩れ等を引き起こし、多くの犠牲者が出ています。
世界に目を向ければ、きわめて高温の空気が広い範囲を覆う「熱波」や、きわめて低温の空気が流れ込む「寒波」の襲来がたびたび起こっています。さらにハリケーンが大型化したり、極端な少雨によって干ばつが起きたりして、農作物などの収穫に深刻な影響を及ぼしています。
地球は氷期に向かっている
二酸化炭素の増加がクローズアップされ、温暖化の問題点が日々強調されていますが、寒冷化について考えたことはあるでしょうか。「スノーボールアース(雪玉地球)」という言葉を聞いたことのある人がいるかもしれません。これは、地球の海洋すべてが凍結し、地球全体が凍ってしまうという「全球凍結」の状態を指す言葉です。
●地球が経てきた3つの気候状態と全球凍結
もし、地球の大気に二酸化炭素のような温室効果ガスがまったく含まれていなければどうなったかを検証すると、地表の平均温度はマイナス10℃以下であっただろう、という結果が出ています。
46億年に及ぶ地球史のなかで、全球凍結が起きた時期が数回ありました。地球がどうやって全球凍結状態を脱したかというと、それは二酸化炭素濃度が上昇したためであることがわかっています。
温室効果ガスとして、二酸化炭素を目の敵のようにしていますが、一方で二酸化炭素は地球の環境を一定に保つための重要な要素だったのです。地球が平衡状態を維持するためのバランス調整役として存在しました。
何十万年という地球科学的な時間軸でみれば、実は現在の地球は氷期に向かっています。例えば13万年前と1万年前には、地球の気温が比較的高い時期がありました。
さらに下って日本の平安時代は、現在よりも温暖な時期でした。ただ14世紀からはずっと、寒冷化が続いています。つまり、大きな視点からすれば、地球は寒冷化に向かっており、寒冷化の途上で短期的な地球温暖化状況にある、というのが地球の現状です。
寒冷化するとどんなことが起こるでしょうか。何より問題となるのは、農作物への影響です。夏になっても気温が上がらなければ作物は育たず、私たち生き物は日々の生きる糧を得られなくなってしまいます。冬は豪雪に見舞われ、これまで以上の命の危険が迫ります。温暖化よりもむしろ寒冷化が怖いと考える専門家もいます。
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