M-1優勝ウエストランドに流れる爆笑問題イズム 「いいとも」レギュラーの一方、不遇の時代も

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井口の場合は、時折後輩たちに「地に足つけろ!」などと厳しい態度をとっていた影響からか、今年のM-1決勝メンバーが発表された後、祝福のメッセージがほとんどこなかった話が印象的だ。

「『漫才工房』で一緒にやってた後輩たちから何の連絡もなくて。もちろん、ママタルトもストレッチーズも準決勝で落ちちゃったから、悔しくて何とも言えないんだろうなと思ってたんですけど、よく考えたら『そんなにギスギスしてんの?』と思って。(中略)思いのほかピリついてるので、今になって『なんだよ』って気持ちが湧き上がってきてます」(前述の「『M-1グランプリ』2度目の決勝、ウエストランドを直撃『めちゃくちゃウケたい』」井口浩之の発言より)

M-1ドリームをつかんだ

もう1人の爆笑問題・田中裕二は「他人に興味がなく、話している途中で急に目がビー玉になる」、ウエストランド・河本は「ギャラを折半していることから、井口をもう1人のお父さんと呼ぶ」など、どちらも謎めいたエピソードを持っているのも興味深い。

爆笑問題イズムを色濃く引き継ぎ、ついにM-1ドリームをつかんだウエストランド。来年は、きっとさらなる活躍を見せてくれることだろう。

鈴木 旭 ライター/お笑い研究家

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Akira Suzuki

2001年から東京を拠点にエモーショナル・ハードコア/ポストロックバンドのギターとして3年半活動。脱退後、制作会社で放送作家、個人で芸人コンビとの合同コント制作、トークライブのサポート、ネットラジオの構成・編集などの経験を経てライターに転向。現在、『withnews』『文春オンライン』『現代ビジネス』『FRIDAYデジタル』といったウェブ媒体、『週刊プレイボーイ』(集英社)などの紙媒体で記事執筆中。著書に著名人6名のインタビュー、番組スタッフの声、独自の考察をまとめた『志村けん論』(朝日新聞出版)がある。

 

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