話題の「気象病」を改善するもっとも簡単な方法 カギは「耳と自律神経」、血行不良には「耳温熱」

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気圧を感じるセンサーが敏感に反応してしまう原因は、内耳の血行不良です。

症状が現れるタイミングの前に血行をよくしておけば、内耳のセンサーの感受性が下がり、気象病の症状をやわらげることができます。

内耳の血行改善としてオススメなのは、シンプルに耳を温める「耳温熱」です。

やり方は2通りあります。

ひとつは、少し湿らせたハンドタオルを耐熱性のポリ袋などに入れて電子レンジで1分間加熱し、それを使って耳と耳のまわりを温めるやり方です。

もうひとつは、ホット専用のペットボトルを使う方法です。容器を用意し、中に200㎖の熱湯と100㎖の水を入れて上下に振って混ぜ合わせ、両耳にあてます。

どちらの方法も、耳の後ろにある「完骨」というツボにあてるとよく効きます。

この耳温熱は、気圧対策としてキャビンアテンダント(客室乗務員)も実践しているといいます。キャビンアテンダントは、気圧の変化が激しい飛行機の中で仕事をしています。そのため、ホットタオルを入れた紙コップを耳にあてて耳抜きしているのだそうです。

体を動かす習慣が自律神経のバランスを整える

常にダラッとした生活をくり返していると、ストレスに対して交感神経がなかなか働いてくれなくなります。そうなると、副交感神経から交感神経へのスイッチの切り替えがうまくいかなくなり、「自律神経の乱れ」が生じてしまいます。

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ちょっとした運動をするだけでも、交感神経と副交感神経のスイッチを強制的に切り替えることができます。つまり、体を動かすことは、交感神経を働かせる習慣を取り戻すきっかけになるのです。

みなさんも軽めのジョギングやストレッチをして思いのほか頭がスッキリしたことがありませんか? なにか煮詰まっているときに散歩をするとアイデアが浮かぶという話もよく聞きますよね。それらはまさに、スイッチをうまく切り替えられたということです。

ただし、激しすぎる運動は交感神経が興奮状態になりすぎて、今度は副交感神経へのスイッチが入りづらくなってしまうので注意しましょう。夕食後や寝る前にハードな運動をして、なかなか寝つけなかったという経験はありませんか? 

それは、交感神経から副交感神経へうまく切り替わらないからです。

自律神経を整えるための運動なら、軽めで十分。まずは、下記にご紹介するような簡単なストレッチから始めてみましょう。少しずつでも体を動かすことを続けていけば、気象病の症状改善にもつながっていくはずです。

(出典:『1万人を治療した天気痛ドクターが教える 「天気が悪いと調子が悪い」を自分で治す本』)
(出典:『1万人を治療した天気痛ドクターが教える 「天気が悪いと調子が悪い」を自分で治す本』)
佐藤 純 天気痛ドクター・医学博士

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さとう じゅん / Jun Sato

1958年福岡県生まれ。疼痛生理学・環境生理学を学んだのち、名古屋大学教授を経て、愛知医科大学病院で日本初の「気象病外来・天気痛外来」を開設。東京竹橋クリニックでも気象病・天気痛外来医として診療を手掛ける。天気痛研究・診療の第一人者として「ためしてガッテン」「あさイチ」(NHK)、「世界一受けたい授業」(日本テレビ)などメディア出演も多数。2020年には株式会社ウェザーニューズと共同開発した「天気痛予報」をリリースし、注目を集めている。
主な著書に『天気痛 つらい痛み・不安の原因と治療方法』(光文社新書)、『まんがでわかる天気痛の治し方』(イースト・プレス)などがある。

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