ゴルフ「ミニブーム」で利用者増でも喜べない理由 「予約できない」「シニアばかり」…課題は山積
コロナ禍で3密を避けられるゴルフが注目を浴び、とくにゴルフ場やゴルフ練習場で若い世代や女性が増えていることを肌感覚で感じる。
コロナ禍で新規参入60万人
矢野経済研究所の「コロナ参入・リタイアゴルファー実態調査2021」でも、コロナ期に新規参入したゴルファーが約60万人いると推定している。実際、最近ではゴルフ場を予約しようと思っても、満員で断られるケースも増えている。
千葉県市原市にあるゴルフ場に聞いてみると、「土、日曜日はキャンセル待ちをお願いする場合も多く、平日もお陰様でほぼ満員の状態です。とくに女性や若い人がコロナ禍前に比べて増えていて、来場者自体も昨年に比べて10%前後増です」とのことで、ゴルフ場は賑わいをみせている。
ゴルフ場の混雑状況は、ゴルフ場の利用者数でわかる。一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会(NGK)が、ゴルフ場利用税に基づく2021年度の全国ゴルフ場利用者数を発表したが、それによると2021年度のゴルフ場利用者数は8969万人で、前年より835万人増加、率にしてプラス10.3%となっている。
1ゴルフ場当たりの利用者数も4万人超の4万641人となり、1997年度以来の数字。前年比10.7%の大幅増となった。利用者数の増加についてNGKの大石順一専務理事は、「この要因は、コロナ禍でのさまざまな行動制限や精神的ストレスの反動現象。広域移動を行わずに感染リスクの低い自然環境の中で、家族や仲間と楽しめるレジャースポーツとして、ゴルフが評価された結果」と分析する。
このような数字をみると、コロナ禍でのゴルフの好調を受けているように思えるが、実際の日本のゴルフ人口はどうなっているのであろうか。
その指標の1つとして、公益社団法人日本生産性本部が10月に発表した最新の「レジャー白書2022」がある。全国の15~79歳の男女を対象に余暇活動についてインターネット調査したもので、有効回答数は3211人。2022年1~2月に実施した。参加人口は、ある余暇活動(ゴルフ、ジョギングなど)を2021年の1年間に1回以上を行った人の割合を算出し、2022年1月現在の総務省統計局の15~79歳人口9854万人にかけあわせて推計している。
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