ゴルフ「ミニブーム」で利用者増でも喜べない理由 「予約できない」「シニアばかり」…課題は山積

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もう1つの調査が、スポーツ庁が実施している「スポーツの実施状況等に関する世論調査」で、約2万人を対象としている。それによると、ゴルフ人口は2021年度が590万人(ゴルフ市場活性化委員会まとめデータ)だった。

これらの最新の調査を基に推計すれば、ゴルフ人口(コース)はおおよそ600万~650万人と推測できる。

レジャー白書によるゴルフの参加率は5.7%で、残念ながら2桁にいっておらず、100人のうち6人弱しかゴルフをしなかったことになる。 スポーツで参加率が2桁にいっているのは、体操(22.2%)やジョギング・マラソン(18.5%)、トレーニング(16.3%)で、道具がいらず、簡単に参加できるものが上位を占めている。

ペットボトル1本プレゼント

いずれにせよ、コロナ禍でゴルフ人口が増加傾向に転じたことは間違いない。 実際、ゴルフ業界でもこのチャンスを生かすために、さまざまな策を講じている。

例えば2022年4月からアコーディア・ネクストグループでは、同社が運営する全169ゴルフ場に女性ゴルファーが無料で登録すると、ペットボトル飲料を1本プレゼントしたり、クラブハウス内のショップやお土産店で10%OFFになる特典が毎回受けられたりするサービスを実施。現時点で登録者が2万人を超えているという。また、一般社団法人日本ゴルフ用品協会では、女性限定のウィメンズゴルフ、JGGAカップ、ペア・スクランブルゴルフ大会など、女性や初心者が気兼ねなくゴルフを楽しめるイベントを実施している。

女性ゴルファー
ゴルフを楽しむ女性(写真:アコーディア・ゴルフ提供)

ゴルフの参加人口の男女比は8:2で、まだまだ男性が圧倒的優位だ。年代構成比も70代が23.4%と一番高い。利用者の中心となっている団塊世代が2023年以降後期高齢者の仲間に入り、プレー頻度の減少でゴルフ人口が減少することが懸念されている。

先のレジャー白書によると、ゴルフの年間活動回数(1人が1年間で何回ゴルフを行ったか)は2021年が17.2回、2020年が14.9回、2019年が13.3回と、コロナ禍ではコアゴルファーの活動が増えている。このため、ゴルフ場は混み合っているが、この中心世代が抜けてしまうことの影響は、ゴルフ場の経営にも大きな影響を及ぼしかねない。

この「2025年問題」といわれている状況をどうするか。

屋外スポーツで密を避けられ、幅広い世代でプレーできるゴルフの良さが再認識されつつある今、若い世代や女性を中心に、ゴルフに触れてもらえるチャンスをもっと増やすことが、ゴルフ業界に求められている。

嶋崎 平人 ゴルフライター

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しまさき ひらと / Hirato Shimasaki

1976年ブリヂストン入社。1993年からブリヂストンスポーツでクラブ・ボールの企画開発、広報・宣伝・プロ・トーナメント運営等を担当、退職後、ライターのほか多方面からゴルフ活性化活動を継続。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。

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