ゴルフ「ミニブーム」で利用者増でも喜べない理由 「予約できない」「シニアばかり」…課題は山積

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調査は1977年から毎年実施されているので、経年変化がわかる。

直近の状況を見ると、ゴルフ(コース)の参加人口(ゴルフ人口)は2021年が560万人で、前年の520万人より40万人増加、前年比プラス7.7%となっている。とはいえ、ゴルフ参加人口のピークは1994年の1450万人。2020年520万人が最も少なく、それに比較するとプラス10万人で、ようやく減少傾向に歯止めがかかったという程度にすぎない。

このゴルフのミニブームでの回復基調を継続できるかが課題である。

ゴルフ人口の推移

レジャー上位は体操やマラソン

参考までに、ほかのスポーツの参加人口についてみてみると、レジャー白書での上位は、1位体操(器具を使わないもの)2190万人、2位ジョギング・マラソン1820万人、3位トレーニング1610万人、4位サイクリング690万人、5位バドミントン600万人、6位ゴルフ(練習場)570万人、7位ゴルフ(コース)560万人、釣り560万人である。

このうち参加人口が増えたのは、サイクリングとゴルフ(練習場、コース)、釣りの3つで、屋外で密を避けることができるスポーツが支持されている。余暇活動すべてで見ると参加人口上位ベスト3は、1位が読書で3700万人、2位が動画鑑賞で3690万人、3位が音楽鑑賞で3420万人となり、在宅でできるものが上位を占めた。これは2020年も同様の傾向だった。コロナ前の2019年は1位が国内旅行5400万人、外食が2位で4350万人であったため、コロナ禍の影響が表れているといえる。

ただ、このレジャー白書でゴルフ人口を推定するには、サンプル数が少なすぎて実態を表していないのではないかともいわれる。そこで、別調査をみてみようと思う。

総務省統計局が5年ごとに実施している「社会生活基本調査」の令和3年版が8月に発表された。この調査は約18万人のサンプル数をもとにしており、ゴルフ人口は2021年で773.8万人だった。これは、ゴルフ場とゴルフ練習場を足した人口で、レジャー白書とはサンプルの取り方が違っているため数が多い。さらに、前回調査された2016年の890万人に比べて、5年間で100万人以上減少している。こちらはレジャー白書と異なり、練習場を含めたゴルフ人口は減少傾向にある。

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