46歳未経験でラーメン店を開いた女性の挑戦 「できないことなんてない」を実現する"聞く力"
お店の「むらじ」は、自分の名字です。子どもたちや親、その上の祖先と、大きな背景がある名前を看板にするからには、変なことはできない。そのプレッシャーはすごくあります。
でも、真面目にコツコツと「むらじ」の背景にあるものを思いながら仕事をしていけば、不安に思ったり迷ったりすることもないんじゃないかと思っています。
よく「未経験でラーメン店をやる不安はありませんでしたか?」と聞かれますけど、そう感じるのは「失敗したらどうしよう」と思っているからですよね。
「今より1日多く休みを取る」も立派な挑戦
私はこれまでスープをダメにしてしまって徹夜で作り直したり、逆に作り過ぎてしまっておいしくできたものを廃棄せざるを得なかったりと、数々の失敗をしてきました。
でも、失敗も経験です。同じ失敗を次にしなければいい。そんな風に気楽に考えてやってきました。
ある意味で怖いもの知らずというか、失敗を恐れる気持ちがあまりないんです。最初から完璧なんて無理だし、そもそも完璧なものなんてないですから。
だから、「ラーメン屋さんの経験がない素人ができるん?」って思っている人には「できる」と言いたいです。できないことなんてないんですよ。
私はこれまでのお店でいろいろな若い子たちと過ごしてきましたが、20代後半から30代にかけて、ものすごく年を取った気になっちゃっている子が多いように感じています。
「もう私にはチャンスがない」と言う子もいるけれど、全然そんなことないですよ。
私は50歳を過ぎて、人生100年だとしたらやっと折り返し地点だけど、それでも挑戦することはまだまだある。
でもね、人生100年と考えると気が重くなってしまう人もいると思うんです。だったら遠い先のことは考えなくていい。
私も先々を考えているかと言ったら、全く考えていないんです。
それは昔からで、先のことなんて考えられないし、考えたとしてもつらくなっちゃう気がして。達成できなかったら落ち込んじゃうと思うんですよ。
だから私が考えるのは、せいぜい来年のことくらい。
来年はね、今より休みを1日多く取ってみようと思っています。仕事は好きだけど、子育ても終わって子どもも独立したから、そろそろ自分の楽しみも見つけたいなと思って。
「1日でもいいから自分のために時間を使う」「自分の楽しみを見つける」。これが今の私の挑戦です。物事の大小に関係なく、新しく何かを始めるのは挑戦ですからね。
お客さんやお店の若い子に「最近何がはやってるん?」と聞いたり、お客さんのきれいなネイルを見たり。そうやって新しいことを知るのが私はすごく好きなんです。