不眠で悩む人の多くが訴えるのが「寝つきが悪い」ことでしょう。ところが猫は、寝床に丸まって目をつぶった瞬間に寝落ちしています。
私はこの寝落ちの様子を、またド真剣に観察してみました。その結果、わかったことがあります。
それは、猫は寝るときに「『身体の感覚のスイッチ』を1つずつ切っている」のではないかということ。
つまり、四肢の指先、ヒゲ(触覚)、耳(聴覚)、シッポと、その日によって順番は異なるけれども、体のパーツを次々と弛緩させているのです。
その過程は必ずしもじっとしているわけではなく、頭を動かしてみたり、寝ながら伸びをしたり、前脚で「いないいないばぁ」のように顔を隠してみたりなんかもします。
これは私たち人間にも、ものすごく有効だと思います。
布団に入ったら両足、両腕、お尻、腰、おなか、腕、胸、首、頭と、「身体の各部位の力」を、どういう順番でもいいので意識的に抜いていくのです。すべての力が抜けると、布団に体が沈んでトローンとしてきます。
5秒で寝落ちする「猫的思考法」を身につける
猫は寝るときに、余計なことは考えません。
「猫だから当たり前じゃないか」って?
いえいえ、猫だって「眠いけど、やっぱおなか空いたかも」とか、「今日はカッコよく塀に飛び乗ったつもりが失敗して悔しい」とか、今日のあれこれが脳裏に浮かびます。でも、とりあえず、寝る前に反省はしません。
猫はたぶん「記憶の消しゴム」を持っていて、都合の悪いことは全部消してしまうのでしょう。
「まっ、いっか」
「明日の心配は明日しよう」
「明日はきっと今日よりごはんがおいしいはず……」
「不愉快なこと」はどんどん記憶から消して、「都合のいいことだけ」を考えているうちに、いつの間にか夢の世界へ――という具合です。なんと無駄のない思考法でしょうか。
そして起きたときにはもう、今日のごはんや快適な場所を探して活動し始めるのです。これこそ「快眠の極意」かもしれません。
いかがでしたか?
猫はああ見えて「寝ること」に対して、ものすごく真剣に対峙し、常に、より気持ちのいい寝床を貪欲に追求しています。
私たちも猫にならって、気持ちよく、とろ~りとろける快眠を手に入れましょう。

