64歳で新しい仕事へ進む人に学ぶ転機のつかみ方 ヘアメイクのカリスマ、藤原美智子さんが選んだ道

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結婚した50歳当時の藤原さん

ミドルエイジになってもますますキャリアが広がり深まっていく中、藤原さんはプライベートでも大きな決断を下した。2008年の50歳の誕生日に、3歳年上のファッションデザイナー、吉田十紀人さんと結婚をした。

当時は、晩婚化が進み、婚活苦に悩む人も増えていた。女性たちのロールモデルでもあった彼女の結婚は、“大人婚”として複数のメディアで取り上げられ、大いに話題になった。

「ずっと仕事に夢中でしたが、40代終盤、ふと、初めて結婚してみたいと思ったんです。そろそろ、生活を楽しんでみるのもいいかなと」

この決断により、藤原さんのライフスタイルは大きく変化した。40代半ばまでは仕事漬けの深夜族だったが、結婚後は伊豆下田に別宅を建て、2拠点生活を開始。朝は早起きして海辺を2人で散歩したり、夕方になるとパートナーとともに料理して、夜の時間をゆったりと味わうようにもなった。

すでにライフスタイルや生き方についてもエッセイや講演などで伝えていた彼女のキャリアにとっても、この結婚は必然の転機になったのだ。

自覚的に決断すると自己肯定感が高まる

藤原さんの半生を振り返ってみれば、およそ、10年ごとに季節が変わるように新たなステージへと移っている。

20代でヘアメイクアーティストとして頭角を表し、30代で事務所経営を始めた。40代は本格的に表舞台にも上がりライフスタイルについて発信、50代は結婚を機に仕事のやり方を見直した。

常に、自らの決断で意識や立ち位置を変えてキャリアアップしてきた。自覚的に決めて動き出せば、決断力や行動力などの“生きるスキル”はおのずと上がると言う。

「近頃、自己肯定感が低いのが悩みだという方が多いようですが、周囲の様子を伺いすぎるからでしょうか。そうすると、どうしても自分を信じて行動できなくなる。考えすぎる前にまずは動いてみる。もし、転んだとしても、そこから軌道修正すればいいだけと考えてみては。

今いる場所に安住しない。定期的に新しいことを始めるのは、私にとって自然なことです。だって、人間、負荷をかけないと変わらないもの。人としてのエネルギーも器も大きくならないような気がします」

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