「成功体験」後の経営判断が本当に難しい深淵理由 日本企業の6ケースから学ぶ首位奪取の戦略

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バットを振る女性
新技術で製品開発競争に持ち込み、首位逆転を果たしたのは、どんな企業でしょうか(写真: IYO/PIXTA)
偉大な経営者たちの着眼点を知り、日本経済を牽引してきた企業110ケースについて学ぶ三品和広著『企業成長の仕込み方』がこのほど出版され、『経営戦略の実戦』シリーズ(全3巻)が完結した。
今回は、市場占有率を逆転した102ケースを収録した第3巻『市場首位の目指し方』から、成長市場で、製品開発競争に働きかけて首位奪取を果たした6ケースを本書から抜粋・編集してお届けする。

製品開発競争で首位逆転

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本書では、市場を成長市場、衰退市場、成熟市場に分けて、それぞれの環境下で起きた逆転劇計102ケースを分析している。

前々回の記事では、成長市場で、「独創的な立地選択を果たして市場シェアを逆転した」10ケースを紹介した。

前回の記事では、「意図しない競合凍結」で首位逆転を果たした7ケースと、「狙い打ちの競合凍結」で首位逆転を果たした12ケースを紹介した。

今回の記事では、成長市場で、製品開発競争に働きかけて首位逆転を果たした6ケースを紹介しよう。その6ケースは、下記のとおりとなる。

■製品開発競争に働きかけて首位逆転の6ケース

コンタクトレンズ(ジョンソン・エンド・ジョンソンがメニコンを逆転、1998年)

消化性潰瘍用剤(武田薬品工業がアステラス製薬を逆転、2008年)

血圧降下剤(武田薬品工業が萬有製薬を逆転、2002年)

血管拡張剤(ファイザー製薬がバイエル薬品を逆転、1998年)

カメラ用交換レンズ(キヤノンがニコンを逆転、1995年)

集塵装置(日立プラント建設が三菱重工業を逆転、1994年)

*年は、首位交代が起きた年を指す

ここで成功のカギを握るのは、組織戦を戦う戦力そのものではなく、相手にカニバリゼーションを意識させるテーマやタイミングの選び方となる。

相手の開発意欲を削いで専守防衛に追い込むことにさえ成功すれば、そもそも戦う場面など訪れない。

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