製品開発競争で首位逆転
本書では、市場を成長市場、衰退市場、成熟市場に分けて、それぞれの環境下で起きた逆転劇計102ケースを分析している。
前々回の記事では、成長市場で、「独創的な立地選択を果たして市場シェアを逆転した」10ケースを紹介した。
前回の記事では、「意図しない競合凍結」で首位逆転を果たした7ケースと、「狙い打ちの競合凍結」で首位逆転を果たした12ケースを紹介した。
今回の記事では、成長市場で、製品開発競争に働きかけて首位逆転を果たした6ケースを紹介しよう。その6ケースは、下記のとおりとなる。
コンタクトレンズ(ジョンソン・エンド・ジョンソンがメニコンを逆転、1998年)
消化性潰瘍用剤(武田薬品工業がアステラス製薬を逆転、2008年)
血圧降下剤(武田薬品工業が萬有製薬を逆転、2002年)
血管拡張剤(ファイザー製薬がバイエル薬品を逆転、1998年)
カメラ用交換レンズ(キヤノンがニコンを逆転、1995年)
集塵装置(日立プラント建設が三菱重工業を逆転、1994年)
*年は、首位交代が起きた年を指す
ここで成功のカギを握るのは、組織戦を戦う戦力そのものではなく、相手にカニバリゼーションを意識させるテーマやタイミングの選び方となる。
相手の開発意欲を削いで専守防衛に追い込むことにさえ成功すれば、そもそも戦う場面など訪れない。
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