起業して経験した「5つの痛い失敗」防ぐポイント 独立直後は「零細企業」という認識を持つこと

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ひとり起業として独立するなら、仕事内容によっては、最初から秘書などのアシスタントをつけることを考えるべきです。はじめから何でも自分だけで仕事をしてしまおうとしていたのは、今考えると得策ではありませんでした。

私の場合は、独立から半年後にアシスタントに来てもらうことにしました。独立をスタートして半年くらいは全部自分でやっていたので大変でしたが、事務処理業が多い仕事であれば、最初からアシスタントに来てもらうほうが良いでしょう。

1人でできることにはやはり限界があるので、最初からアウトソーシングをしても構わないのです。

人員は急に増やさない

独立してからある段階で、人員を増やそうと考えたことがありました。しかし今考えると、その機は熟していなかったと反省しています。

独立してうまく回り出すと、本来なら人をどんどん増やそうと思うのは当然のことです。私の場合は前述したように、人と組むのが得意ではないとの想いから、まずは「おひとりさま」独立を決断しました。

ところが、人材紹介業は無理して人を増やすビジネスモデルでもないわけですが、立ち上げてから3〜4年が過ぎ会社が順調に回り出していたので、人を採用しようという考えに至ったわけです。

ただ、いま振り返ると、周囲からの声に流されていたのだと思います。「企業の成長=人員拡大」という感覚のまま、人を増やして拡大していく流れに自分も引っ張られてしまったのです。

基本的に独立であれば、無理をしてまで人員を増やして会社を大きくする必要はありません。とくに起業ではなく「おひとりさま」独立の場合は、会社を大きくし、人をどんどん増やし、将来上場を目指すというモデルではないので、決して急いで背伸びして人を増やしていく必要はないのです。にもかかわらず、当時の私は人を採用して拡大しようと思っていたときがありました。このときの人員拡大へのアプローチは、今考えると大きな失敗でした。

自分の向き不向きの適性を考えて、ビジネスモデルがうまく回り出したとしても、「なんとなく」の思いで無理をしてまで人を増やして拡大していこうと考える必要はまったくありません。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」で、己を知るということが独立する際はとても重要になります。

次に、どんな人を採用するべきか、検証の話をします。

次ページ4つめは採用の問題について
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