ゆたぼんが大炎上する世相が映す「関心経済」の罠 「感情の消費」「虚像としてのアンチ」の本質問題

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少年革命家ゆたぼん
何かとニュースになることが増えた「ゆたぼん」をめぐるネットコンテンツの本質的な問題とは?(画像:少年革命家ゆたぼんチャンネル)

「少年革命家」を自称する13歳の不登校ユーチューバー、ゆたぼんをめぐる炎上騒動が度々ニュースを賑わせている。最近では、クラウドファンディングで集めた数百万円の支援金で、日本一周に挑戦した「ゆたぼんスタディ号」プロジェクトの内容の賛否から火が点いたようだ。

これまでもゆたぼんとその父親である実業家の中村幸也氏に対する批判はソーシャルメディア上を席巻し、ネットメディアもそれに首を突っ込んできた。これらの現象には、いわゆる炎上商法といえる面があるが、どうもそれだけでは済まないネットコンテンツにおける本質的な問題を孕んでいる。

まず先に論点だけを挙げると「関心経済」「感情の消費」「虚像としてのアンチ」の3つがある。

評価を仲介して「カネ」すらも交換

順を追って説明する。まずは「関心経済」だ。

当たり前だが、ユーチューバーという存在は、人々からいかに継続的に注目してもらえるかが重要な商売だ。1997年に社会学者のマイケル・ゴールドハーバーが提唱した「アテンション・エコノミー(関心経済)」という概念は、世界経済といった大舞台から個人レベルに至るまで「どれだけ耳目を集められるか」が最も重大な局面となり、人々の注意を瞬時に方向付けたり、持続させたりする技術にその覇権が移行することを指していた。いわばアテンション=関心の争奪戦である。

日本では、プロデューサーで評論家の岡田斗司夫が『評価経済社会 ぼくらは世界の変わり目に立ち会っている』(ダイヤモンド社)で、ゴールドハーバーと似た考え方を提唱し、それを「評価経済」と名付けた。岡田は、これからの時代は誰もが情報発信者となり、その影響への評価が重視されると考えた。

既存の貨幣経済社会では、貨幣を仲介して「モノ」「サービス」が交換されていたが、「評価経済社会」では、評価を仲介して「モノ」「サービス」、さらには「金」すらも交換されるようになるのがポイントと述べた。

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