予約サイト作成サービス「MOSH」誕生の深い経緯 海外旅で触れた個人間取引にネットの本質を見た
── インターネットの出現で、自分たちとは違う暮らしや価値観が見えてきたんですね。
籔:はい、インターネットやSNSの広がりによって、いろんな人の生活や生き様が相対的に見えるようになりました。それはある種の副作用でもあり、今後も社会的に大きな課題になるはずです。これを解決できるような事業をやりたいと思い、起業に踏み切りました。
── 起業するにあたってのコンセプトが決まったわけですね。
籔:はい、会社のミッションは「情熱が巡る経済を作る」というものです。情熱がちゃんと見つかって、それが育ち、次世代にも繋がっていく。そういう循環を作るプロダクトを、事業としてスタートさせたのが、『モッシュ(MOSH)』です。
オンライン化は需要があるということを改めて認識
── 起業してから今までで、大変だったこと、挫折したことなどはありますか。
籔:大変だったという感覚というよりも、振り返ると伸びてなかったなと思う時がありました。起業する以前からチームのようなものは作っていたんですが、僕が海外に行ったタイミングでガラッとアイデアを変えたので、最初はチームのみんなも大変だったと思います。本当に地道なプロダクトなので、立ち上がりから2年くらいは、全くお金を使わずにコツコツやってましたから。
それが変化したのはコロナ禍のタイミングです。オフラインでやっていた事業者やクリエイターの方々は売り上げが下がってしまい、先行きが不安になっていらしたんで、登録してくださる方が増えて、僕らは大きく伸びたんです。
── 本当にコロナ禍で二極化しましたね。大きく伸びた業態がある一方で、サービス業の大半は営業が厳しくなってしまった。
籔:そうですね、クリエイターさんや事業者さんからすると、すごく大変な局面だったと思います。でもそのタイミングで我々に引き合いが来て、やはりこういった状況になると、オンライン化やデジタル化は需要があるんだなと、改めて認識しました。結果として役割を持てた、貢献できたことはよろこびにつながっています。