なぜ官僚や学者の政策はいつも失敗ばかりなのか アベノマスクから岸田政権の総合経済対策まで

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競馬である。

個人的には19日の東京スポーツ杯2歳ステークス(東京競馬場第11レース、芝1800メートル、G2)で頭も心も一杯だが、20日にはマイルチャンピオンシップ(阪神競馬場第11レース、芝1600メートル、G1)が行われる。

前回の「日銀が金融緩和策を変更すると一体どうなるのか」の競馬コーナーでは、秋の天皇賞の改革など1980年以降のJRAの大改革が日本の競馬を変えた話をしたが、JRAの競馬を革命的に変えたものはもうひとつあった。それは、地方競馬騎手のJRA参入であり、外国人騎手の参戦である。

JRAの競馬学校出身者は、エリートとして育成され、騎手のレベルアップにつながった。だが、一方で「お坊ちゃん化」「仲良し化」「馴れ合い化」も進んだ。

レースでは、前半はよいポジションを確保してゆったり行き、溜めておいて、直線でチョイ差しする。これが無難に好走するセオリーであり、また2着3着、さらには「掲示板(5着以内)」が価値を持つ賞金体系、馬券制度によって、勝ちに行く勝負ではなく、大敗を避ける習慣を生み出した。

そこに「活」を入れたのが地方競馬の騎手たちである。「アンカツ(安藤勝己)」「ウチパク(内田博幸)」「イワタ(岩田康誠)」といった、地方で豪腕で鳴らしてきた騎手たちが、ぬるま湯のJRAのレースを一変させた。

地方の深いダートで鍛え上げた騎手たちが、前半からガンガン飛ばし、直線に入るよりもはるか前の3角あたりからまくり、それでいて、直線も豪腕で馬を追いまくりゴールまで持たせてしまう、という激しい騎乗を行った。

「スマートでない」「かっこ悪い」などの批判も気にせず、彼らは結果を出し続けた。さらに外国人騎手たちが参戦し、気の悪い馬でも、あっという間にいうことをきかせ、折合いに難があることが嫌気され低人気の馬たちをあっさり勝たせてしまい、穴をあけ続けた。

こうしてJRAの優等生競馬、おとなしい競馬は一段階ギアもステージも上がり、騎手のフリー化もとことん進み、激しい競争からレベルが上がり、レースもレベルも上がり、この結果、馬が潜在力を以前よりも出し切るようになり、繁殖判定レースとしての価値が上がり、日本の競走馬の血統的な価値が世界的にも上昇したのである。

これをさらに推し進めるためには、ダート競馬のさらなる発展、軽くてスピードだけで勝負できる芝の変更などが求められる。ダートは放っておいても前半から激しくならざるを得ず、直線競馬もそれに近いものだ(だからダートで走ってきた馬が、芝の直線競馬で好走するのである)。ダートで実績を出してきた馬は種馬になっても確実に結果を出す、つまり、ダートは「繁殖能力検定力」が高いのである。

マイルCS馬は「騎手で買え」

13日のエリザベス女王杯は、積極的なレースをした欧米豪騎手のワンツースリーだった。軽い芝の京都競馬場ではなく、実力勝負の阪神マイルでのマイルチャンピオンシップなら、再び彼らの戦いとなるはずだ。ライアン・ムーア騎手のサリオス(3枠5番)、クリストフ・ルメール騎手のシュネルマイスター(2枠4番)、そしてダミアン・レーン騎手のセリフォス(5枠10番)が注目馬だ。

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

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