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なぜ官僚や学者の政策はいつも失敗ばかりなのか アベノマスクから岸田政権の総合経済対策まで

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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しかし、別の意味で視野の狭い官僚や学者もいる。というよりもっと乱暴で強欲、と言ったほうがいいだろう。

それは、自分の政策提言を政治家に取り入れてもらいたい一心で「これをやればすべて解決します」と主張するアドバイザーたちである。

「リフレ派」という人たちはその典型で「すべてはデフレが悪い」、だからデフレを解消してインフレになれば、日本経済のすべての問題は解決します、といわんばかりにデフレ脱却をスローガン、おまじない、呪文として、政治家や人々を洗脳していった。

いまや、脱洗脳がインフレによって行われており、人々は、マインドコントロールから解けたものの「インフレだし、給料は上がらないし、いったいどうしたらいいんだ」と思考停止になっている。思考力も失われてしまったのだ。

MMTといわれる理論を主張する人たちも同じだ。というか、リフレを主張した人々が、もうリフレという麻薬が効かなくなったから、次の洗脳手段を繰り出してきた。MMT論者は、「財政をいくら出してもいいんだ」「インフレが起きたらとめればいい」「財務省がけちなのが諸悪の根源だ」「とことん財政出動して、それから考えればいい」と主張したが、インフレになったら、こうした人々はどこかに消えてしまった。

本当に悪い人は誰か?

ただし、本当に悪いのは彼らではない。一挙解決願望に満ち溢れた政治家と、世間の人々こそが問題なのだ。経済のひとつひとつの問題に向き合おうとせず、スケープゴートを作り、すべてそいつのせいにして、「そいつをやっつけるには、これだけやれば一挙解決」、ということを求めてきた政治家と人々が悪いのだ。

かつては「規制が全部悪い」「既得権益が全部悪い」、だから「ガラガラポン」して、「すべてをぶっ壊して新しい日本を作れ」、という論説(居酒屋談義)が、まじめに政界や新聞紙上を賑わせた。ガラガラポンというオノマトペとすらいえないなぞの言葉を真剣な顔で語っていた政治家は誰よりも喜劇的だったが、それが日本政治、政策マーケットの無策を生み出した。

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