【後編】平気で「おせち」を買う人の超残念な盲点 「有名料亭の商品」も「意外すぎる落とし穴」が…

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もうひとつ、私が指摘したいのは「おせちのSDGs問題」です。

【問題5】完全に「SDGs」や「地産地消」に逆行している

「【前編】平気で「市販のおせち」を買う人の超残念な真実」で、おせちの食材には、世界中から運んでくるものが少なくないと述べました。

「タイ」や「韓国」「ベトナム」など東南アジアはもちろんですが、「チリ」「メキシコ」「ペルー」など「地球の裏側」からも冷凍コンテナで運んできます

こうして国内・海外から集めた食材は、出番が来るまで冷凍します。冷凍のものはそのまま、チルドの場合はマイナス30~40度、肉に至ってはマイナス60度で急速冷凍し、巨大冷凍庫で保存するのです。

おわかりのように、この過程で「大量のエネルギー」、つまり「冷凍コンテナで運んでくる燃料代」や「巨大冷凍庫の電気代」が使われるわけです。

今年の夏から政府主導で「節電」を呼び掛けて、各戸で使わない部屋の電気をまめに消したり、スーパーで一部照明を切ったりしているけれど、そんな「小さな努力」などふっとぶぐらいの大量の電力消費量です。

「SDGs」「地産地消」に逆行する「おせちビジネス」

それから「環境への影響」も問題視する必要があります。運ばれてくるおせちの食材の入っている容器は、多くが「使い捨てのプラスチック」です。

食材を調理する際に、それらは大量のプラゴミとなって出るわけです。私も実際に現場を見たことがあるけれど、まあ驚くほどのゴミの山です。

また、輸入品をコンテナで海外から運んでくる際は、いうまでもなくCO₂が出ます。

おせちは「日本の伝統食」ではあるけれど、巨大市場と化した「おせちビジネス」は「SDGs」や「地産地消」にまったく逆行しているといわざるを得ないのです。

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