「PR漬け社会」の到来で起きた情報流通の主役交代 6兆円の広告市場に染み出す、新興勢力の正体

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うまくいけば、手数料のかからないプレスリリース1本でメディア露出を狙えるかもしれない──。

ここに商機を見いだし、企業のパブリシティーを支援するエージェント「PR会社」が1960年ごろから続々登場。企業が高い広告費を許容できなくなった不況時などを経て、じわじわと注目度を高めていった。

担当者はプレスリリースの束を携えて各メディアへ足を運び、記事掲載のチャンスをうかがってきた。「最近では顧客企業に関係する政策課題についてのロビー活動も手がける」(PR会社関係者)など、対メディア以外でも実力をつけていった。

デジタル社会の到来で状況は一変

ただ、記者がプレスリリースに関心を示したとして、その取り上げ方や掲載時期をPR会社がコントロールすることはできない。自分たちの伝えたい姿でメディアに露出したいなら広告を使うしかない。

企業はいわば、消費者との間に流れる「マスメディア川」を渡るために、“お金はかからないが危ない橋”か“安全だが通行料の高い橋”の2択を迫られてきた。

その状況が、デジタル社会の到来で一変する。

(イラスト:髙栁浩太郎)
(イラスト:髙栁浩太郎)画像を拡大
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