東大「逆転合格した人」に共通する、なるほどな動機 周囲の反対を押し切る「わがままさ」が必要

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学校も同じです。偏差値がすごく高くて頭のいい子どもたちばかりの学校は、とても自由な校風な場合が多いです。それは、自由にやらせてもきちんとその与えられた自由の意味を履き違えることなくしっかりそれと向き合う頭のよさがあるだろうと学校側から考えられているからでしょう。

逆に、偏差値があまり高くない学校では、ルールや校則で縛らないと生徒たちの成長を促せないからそうなっている場合が多いです。その是非は置いておいて、自由という権利は、努力して学んだ経験のある人が勝ち取っている場合が多いのです。

だから、逆転合格した東大生たちは、「自由になるために勉強している」生徒がほとんどです。もっと自由に、自分の思ったとおりに世の中を動かしてみたい。漠然と、そんな思いがあったから東大受験をしているという人がとても多いのです。

「自由になりたい」飢餓感が努力の源泉になる

僕は高校時代、自分の学校の校則が厳しかったことに対して大きな反発をしていました。学校の先生とけんかすることも多かったです。でも、だからこそ僕は、その閉塞感を打破したいと思って東大を目指しました。

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ある意味でそういう、ちょっとわがままで、「もっと自由になりたい」と思うような人のほうが、モチベーションを持って努力することができるのかもしれません。

この記事を読んだ人たちが、何を感じるかはわかりません。それでも1つ、僕から言えることがあるとするならば、「もっと貪欲に、自由を求めていいのではないか」ということです。

今の環境に閉塞感があって、もう一歩、外に出たいというような飢餓感があるのであれば、それをしっかりと形にすることも必要なのではないでしょうか。

そうやって努力して、自由を得るためのものとして勉強をしてみる。そういう姿勢も、きっと価値があるのではないかと僕は思うのです。

黒田 将臣 現役東大生

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くろだ まさおみ / Masaomi Kuroda

東大合格者0人の高校で、高校入学当初は下から数えた方が早い順位だったが、東大受験に合格するためのテクニックをハックし、2浪して東大に合格した。いまだだに努力神話の建前が根強い一方で、進学校や予備校などの 高額な教育産業が受験ノウハウを独占している受験の世界を変えるため、東大生集団「カルぺ・ディエム」に所属して、自分で受験のゴールを設定し、 自力で東大合格できる受験生を一人でも増やすために活動している。

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