また、アビジット・バナジー、エスター・デュフロ、マイトリーシュ・ガタク、ジーン・ラフォーチュンらによる共同研究をはじめとして、インドではカースト内結婚が強く選好されるので、男女ともに同カーストなら、自分より教育程度の低い相手とでも結婚することが明かされています。
最後に、相手に望む属性のうち何をあきらめるかは価値体系の問題であり、特にほかの属性との相対性によります。一方、結局、どこまで妥協しなければならないのかは、自らが市場でどれだけの価値を持っているかにより、それは市場内の競争相手次第です。
試しにこんな実験をしてみましょう。同年代の同性と比べて、自分の容姿を1から10までの10段階でどこに位置するかを誠実に格付けするのです。
たとえば70%の人よりは自分の容姿のほうが優れているが、30%の人にはかなわないと思うのなら、あなたの格付けは7です。これが市場における自分の位置の自己評価です。
次に出会いサイトや婚活サイトで自分と同性・同年代の人々を検索し、彼らが投稿しているプロフィール写真を見てみましょう。
たとえば10人をランダムに選んで写真を見ながら容姿格付けをしてみたら、おそらく当初のあなたの自己採点は過大評価だったと思うでしょう。すなわち、自分がつけた格付けと同じ格付けの相手は、客観的に見て自分よりも容姿が優れていると気づくでしょう。
「最初の写真がいいほどガッカリ」という心理
この食い違いは、別に自分の容姿格付けを水増ししていたからではなく(いや、たぶんしていたのでしょうけれど、ここではその話をしているのではありません)、また出会いサイトを利用している人は本当に容姿の優れた人だけだから、というわけでもありません。
誰でも本当に写りのいい写真の1枚くらいは持っているからです。もし誰もが最も写りのいい写真を投稿しているとすれば、サイト利用者の魅力度を、総じて買いかぶることになります。
そうだとするなら、サイトで出会った相手と実際に会ったり、相手が追加の写真を何枚も送ってきたのを見たら、その分、がっかりするはずです。
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