恋愛で「容姿の不利」を覆せる年収はいくら? カナダ名門大講師が教える男と女の経済学

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これは社会心理学者が「対比効果」と呼ぶ現象です。2枚の写真を順に見せられたとして、先に見せたほうが後で見せたほうよりもはるかに魅力的であれば、後で見せられた写真だけを見た場合よりも、はるかに低く評価してしまうのです。

実証実験でも、とても魅力的な女性の写真を見せてから平均的な女性の写真を見せると、後者の写真だけを見せられたり、風景などまったく別の写真と対にして見せられた場合よりも、平均的な女性の評価が低くなることが確認されています。

出会いサイトでは「容姿のインフレ」が起きている

言い換えると、出会いサイトのプロフィール写真は、総じて実際以上に見せることによって、「容姿のインフレ」を生じさせているのです。そして、インフレを起こしているのは容姿だけでなく、自己紹介で強調することすべてです。

出会いサイトでは、自己紹介方式によって、魅力的で、高学歴で、高収入で、公園で散歩したりビーチでゆっくり散歩をしたいと思っている人々がいっぱいいる、という印象を与えています。

それはきっと、相手探しを始めたばかりの人にとっては素晴らしいことなのでしょう。しかし長い目で見ると、誰もが平均以上に見える状態は、カップルをまとまりにくくします。誰もが、自分にはもっと魅力的な相手がいるはずだと期待するようになるからです。

男性を含め、大抵の人の価値は目減りする、すなわち加齢とともに市場価値が下がっていくことを考えると、相手探しの初めから自分の相対的な位置を正確に把握しているほど、結局はよいはずです。実際、自分の価値が衰え始める前にこの市場から卒業するには、それは必須のことと言えます。

この経済学的アプローチは、デート市場では最初に自分の評価を正確かつ誠実に見積もり、あれこれの条件をすべて満たす相手を探すよりも、妥協できる要素を整理しておいたほうが、早く相手が見つかることを示唆しています。

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