転職して田舎に帰りたい36歳彼女が見落とす盲点 仕事は楽しくないけれど、年収は諦められない

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その問いに答えられるか否かは、つきつめると自分自身を本当にわかっているか、です。

要は、自分を理解しており、その中で自分なりの人生の志や指針、軸のようなものを持っているかどうか、です。

そういった志や、軸を持っていれば、複数の選択肢があった際に、自分なりのポリシーでもってどんどん判断が出来るようになります。

反対に、そういった判断基準がない場合は、あれやこれやと悩むものの、具体的な行動や選択ができずに、「現状維持という名の思考停止」に陥ってしまいます。

ですから、SSさんとしても「何故自分は今悩んでいるのか」を考え、その中における構成要素をどんどん因数分解し、詳細化、具体化していきましょう。

その作業を通じて、自分にとって大切なものや自分なりの人生における価値観が見えてくるはずです。

「何度か転職活動をしたが途中でやめてしまった」とありますが、おそらくご自身の中でそういった決断や判断を下す基準が非常に曖昧なままなので、行動に身が入らない状態なのだと思われます。

現状を変えたい、という真剣さがあれば途中でやめることはなかったハズです。

真剣に現状を変えたいという動機が不在であり、「何となく不安、何となく不満」という漠然とした状態だからこそ、行動も漠然としてしまうのです。

今後を生きるうえでの志を持とう

SSさんは、経理畑1本でおそらく10数年ずっと継続してやってこられてますから、集中力も行動力も決断力も本来あるハズですし、現在の年収を考えても非常に優秀な方のハズです。

その中で現在ないのは、今後の人生を生きるうえでの志や指針です。そしてそれらは現状を変えたり、行動をするためのモチベーションです。ご自身にとっての生きるうえでの価値観とも言えますが、そういった軸を持つことによって、本来お持ちの行動力なりがより深化されるハズです。

今後仕事だけではなく、人生においてもさまざまな選択を迫られる場面が増えてくるハズです。

そうであるがゆえに、これを機にご自身を深く理解し、ご自身なりの人生をサバイブするうえでの指針なりを構築されるとよいでしょう。

そのようにして、SSさんがご自身の理想とする生活により一歩近づけるであろうことを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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