転職して田舎に帰りたい36歳彼女が見落とす盲点 仕事は楽しくないけれど、年収は諦められない

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漠然としたイメージや、想像の世界ではどうしても「自分にとってリアルな選択肢」が見えませんから、なかなか選択しようにも決断も判断もできない、ということになります。

例えば「年収を捨てられない」とありますがなぜですか? 具体的に今の生活で、年収が下がることにより諦めなければならないことは何でしょうか? 習い事や趣味ですか、それとも将来への漠然とした不安でしょうか?

そしてそれらを諦めることはどの程度SSさんにとって苦痛を伴うものでしょうか。

現状が「精神的にきつい」とありますが、例えば上記のようなことを諦める苦痛や苦しみとどっちが大きいのでしょう?

耐え難い苦悩はなぜ発生? 突き詰めて考えるとよい

もっというと、具体的にどの程度年収が下がることにより、「耐え難い苦痛や苦悩」が発生するのか。そして、現時点においてご自身が転職をするとしたら、具体的にどの程度の年収のどんな仕事がリアルな選択肢として存在するのか。そういったことをどんどん突き詰めて考えたほうがよいと思います。

また、「4年前に引っ越してきた」とあり、その中で「知り合いがいない」とありますが、どの程度の知り合いを求めており、具体的にどんな友人や知り合いを作る努力をこれまでしてきましたか?

そもそもご自身にとって、知り合いが身近につねにいる状態は、離れていても連絡ができたり、会いに行こうとすれば会いに行ける知り合いがいるという状態と比較してどの程度重要なことなのでしょうか?

裏を返すと、それが仮に非常に重要なことだとすると、なぜ4年間そういった知り合いを身近に作ることができなかった、またはしなかったのでしょうか? そういった、現時点でご自身が抱えている不安や不満をどんどん詳細化、具体化したほうがよいでしょう。

そうすることで、何が自分にとって本当に問題なのか、であったり自分にとって本当に大切なことが徐々に見えてくるはずです。

人間誰しもそうですが、現状に対して不安や不満があるときには「もっともらしい何かしらの理由」を探してしまい、「もっともらしく納得」してしまうものです。

しかしながら、あれやこれやと理由を探したところで、行動に移せるかというとそうではありません。

行動に移せるか否かは、結局のところ「で、何がいちばん自分にとって大切なんだっけ?」という極めてシンプルな問いに答えられるか否かにかかっています。

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