右派利用が急拡大「トランプのSNS」侮れない正体 トゥルース・ソーシャルはツイッターになるか

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右派のSNS「トゥルース・ソーシャル」の盛り上がりの中心にいる、ドナルド・トランプ前大統領(写真:Dustin Franz/Bloomberg)

右派のソーシャルネットワーク「Truth Social(トゥルース・ソーシャル)」は2月の立ち上げ以降、事業運営面で大問題に次々と直面してきた。だが、日々ログインする利用者は、それとはまったく異なる光景を目にしている。活気に満ちた右派のエコシステムとして、活動がどんどんと盛り上がっていっているからだ。

トゥルース・ソーシャルの未来は依然として疑わしい。それでも中間選挙を前に、保守派の間で影響力を拡大し続けていると専門家は指摘する。

「トランプのメガホン」に酔いしれる人々

勢いの大部分は、ドナルド・トランプ前大統領によるものだ。トゥルース・ソーシャルの立ち上げに関わったトランプ氏は、スター的な存在。今では自身の声を世界に発するメガホンとして、真っ先にトゥルース・ソーシャルを利用する。トランプ氏がそこで行う投稿は400万人を超えるフォロワーの目に触れ、一般のメディアやソーシャルメディアでもしきりに引用されることになる。

そして今、トゥルース・ソーシャルではトランプ氏のまわりにアメリカの右派が集結するようになっている。ラジオ番組司会者兼テレビコメンテーターのダン・ボンジーノといった保守派の有名人、共和党のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員(ジョージア州選出)に代表される過激な政治家といった面面だ。そこに陰謀論者、極右インフルエンサー、一般有権者の一団が加わる。

ウェブトラフィックのモニタリングを手がけるシミラーウェブの推計によると、アメリカからの9月のユニークビジター数は170万人。確かにフェイスブックやツイッターといった大手ソーシャルメディアとは、まるで競争にならない数字ではある。

それでもGab(ギャブ)、Parler(パーラー)、Gettr(ゲッター)、MeWe(ミーウィー)、Minds(マインズ)など、同種のソーシャルメディアは平均36万人ほどにとどまっており、トゥルース・ソーシャルがライバルを圧倒する。

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