右派利用が急拡大「トランプのSNS」侮れない正体 トゥルース・ソーシャルはツイッターになるか
ところが、合併計画と13億ドルの雲行きは怪しい。連邦検察および証券規制当局が12月上旬にもデジタル・ワールドに清算を迫り、IPOで調達した資金を株主に返還するよう命じる可能性があるためだ。そうなれば合併計画は頓挫する。デジタル・ワールドは、トランプ・メディアとの合併完了期限を延期する措置について株主から承認を得るのに苦戦している。
合併が頓挫した場合、トランプ・メディアはトゥルース・ソーシャルの運営資金を新たに調達しなければならなくなる。すでに調達できているのは約3700万ドルで、その大部分は共和党支持者による寄付金だ。
証券取引委員会(SEC)に内部告発を行ったことを公言してトランプ・メディアの取締役を解任されたウィリアム・ウィルカーソン氏は取材に対し、トランプ・メディアでは毎月170万ドルほどのキャッシュアウト(現金支出)が続いていたと語っている。トゥルース・ソーシャルは最近、広告の表示を始めるようになった。
保守派の「オルタナYouTube」と統合か?
ウィルカーソン氏によると、デジタル・ワールドとの合併が頓挫した場合、トランプ・メディアは代替案として「ランブル」との合併を検討する可能性が高い。ランブルはYouTubeに代わる保守系の動画共有サイトで、トランプ・メディアの主なビジネスパートナーとして注目度が高まっている。
ウィルカーソン氏およびトゥルース・ソーシャルの経営に通じた別の関係者の話では、フロリダ州サラソータにあるトランプ・メディアのオフィスで働いている人々の約半分はランブルの従業員だ。ランブルは、トゥルース・ソーシャルのバックオフィス業務の多くを担当。トランプ・メディアは8月にランブルの広告プラットフォームに加わっている。
ランブルは先日、SPACとの合併を済ませ、約4億ドルの資金を確保した。
「ランブルが上場企業となった今、(合併の)可能性は高まっている」。自身の法務顧問団が同席する中で行われたインタビュー取材で、ウィルカーソン氏はこのように語った。
トランプ・メディアは、ランブルとの将来的な合併の可能性については言及しなかった。その一方で、SECのせいでデジタル・ワールドとの合併完了が遅れていると電子メールの声明で非難した。