人生モヤモヤしてる人に効く「最強の言葉」とは コピーライターが見つけた名前の持つ驚きの力

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名づけの名人として、私は『ドラえもん』に登場するのび太君を思い出す。彼は、目の前に現れた不思議な生き物と一緒に旅へ出る際に、必ず名前をつけるのだ。

映画版では、宇宙人や恐竜、妖精などの不思議な生き物が登場し、彼ら彼女らを救うために共に冒険に出る構成が多い。そのときに、のび太君は必ず名前をつけるのである。「この子に名前をつけてあげようよ」と言って、「じゃあ○○にしよう。○○よろしくね」と言ってから物語が動き出すのだ。

一見、当たり前のように見える行動によって、愛着を持ち、自分との関係性を確かなものにする。仲間として認め、自分の一部として理解しようとする。その不思議な生き物と一時的に対立しようとも、決して裏切ることなく、最後まで支援しようとするのだ。物語の終盤で、名前を大声で呼ぶ場面は、感動なくしては見ることができないほどに感情移入してしまう。

のび太君としては「呼びやすい名前をつけよう」と思っての行動かもしれない。しかし、その効果は、本人が意図している以上の力を発揮する。あえて名前をつけるならば「オーナーシップ効果」とも呼べるような、自分とその対象が無関係な存在ではなく、確かなつながりを生みだし、相手を自分のことのように大切な存在として扱おうとする効果を生むのだ。

名づけによるオーナーシップ効果は、汎用性が高く、どんな対象にも効果を発揮する。先に述べた、生き物やブランドだけではなく、あらゆるプロジェクトやチームに対して、「自分自身」に対しても、遺憾なく機能する。次項からは、具体例について見ていくことにしよう。

成功する仕事には、いいプロジェクト名がある

私は、普段から、どんな小さなプロジェクトであっても、チームメンバーが決まった段階でプロジェクト名をチーム全員で考え、決めることを行っている。

新しい仕事が生まれるとき、違う組織から同じ目的を持った人たちが集まって協働することが多い。その場には「この事業をよいものにしたい」という共通認識はあるものの、それぞれ職能も違えば、これまで過ごしてきた環境も、提供できる価値も違う。お互いの専門性が高ければ高いほど、同じ案件に取り組むとしても、見えている世界に大きな違いがあることも多い。

そのため、腕利きのメンバーが集められたとしても、チームとして機能しはじめるには時間がかかるのが常である。みんなが好き勝手に行動したらチームは崩壊してしまうし、お互いの出方をうかがっているだけでは、プロジェクトは進捗しない。

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