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人生モヤモヤしてる人に効く「最強の言葉」とは コピーライターが見つけた名前の持つ驚きの力

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  • 梅田 悟司 コピーライター・武蔵野大学教授
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それだけ重要な仕事なのだが、私はまた違った角度から、その重要性を感じている。名前をつけることは、対象に命を吹き込む行為であるだけではなく、名前をつけた対象と共に生きる約束をする行為でもある、という観点である。

いままで何かに名前をつけた経験を振り返ってみてほしい。

子どもの頃、ぬいぐるみに名前をつけたことはないだろうか。私も、ぬいぐるみと出会い、自分の手元にやってきたときに名前をつけて、名前を何度も呼びながら一緒に遊んだり、同じ布団に入って眠った記憶がある。

動物と一緒に暮らしている方も、名づけをしているだろう。大切な家族として迎え入れ、名前をつける。名前を呼んだら振り返ってくれたり、近くに走り寄ってくれた瞬間の喜びは非常に大きなものである。お子さんがいらっしゃる家庭では、子どもに名前をつけるという、大仕事を経験しているだろう。

なぜ、人は名前をつけるのか?

仕事において、製品名やサービス名、会社名を考えたことのある方もいるかもしれない。企業は決して無機質なものではなく、法人という言葉が示すように人格を持っている。製品やサービスも同様で、使ってくれる人と企業が触れ合う接点であり、開発者をはじめとしたあらゆる人の体温が宿るものである。

このように多くの人が、試行錯誤をしながら、さまざまなものに名前をつけてきた経験があるのではないだろうか。

では、なぜ、人は名前をつけるのだろうか。

「名前がないと不便だから」という理由もあるかもしれない。しかし、名前をつける意味は、それだけではない。名前をつけることの本質は、その対象に愛着を持ち一緒に生きることを決めることにある。

(イラスト:『きみの人生に作戦名を。』)

ぬいぐるみの場合、玩具売場やお土産店に並ぶ無数のイルカのなかから、表情や触り心地、自分との相性を探り「この子だ!」と決める。

そして、名前をつける。名前をつけた瞬間から、自分の胸に抱きしめたイルカと、その他のイルカは、まったく違う存在となる。名づけには、文字通り「うちの子」になるプロセスが含まれているのだ。その瞬間を境にして、その子の名前を呼ぶたびに愛着が増し、関係を育んでいくことになる。

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【「名づけの名手」としてののび太君】

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