人生モヤモヤしてる人に効く「最強の言葉」とは コピーライターが見つけた名前の持つ驚きの力

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このような場合、私はこのチームは何のために組成され、何を実現するのか、どのような状態に達すればゴールと言えるのかを言葉で定義し、合意形成することからはじめるようにしている。それがわかる旗印としての明確な言葉をつくり、作戦名に落とし込むのだ。

その定義に全員が賛同できるような状態になっていれば、皆が同じ目線になり、同じスタートラインに立ち、いい方向に進むことができるようになる。それこそ、その先は思う存分、自分の得意なことを行えばいい状態をつくり上げるのだ。個人の活動だけでなく、チームをつくるうえでも、作戦名は大きな役割を果たすことになる。

自分というプロジェクトに名前をつける

名づけの効果は、複数人で行うプロジェクトのみならず、人生という、たった一人のプロジェクトにおいても、効果を発揮する。人生に名前をつけると言っても、生まれてから与えられた名前を改名しようということではない。自分というプロジェクトの名前、つまり、人生の作戦名を検討し、名前をつけることには大きな意味があるのだ。

『きみの人生に作戦名を。』(日経BP 日本経済新聞出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

名前は、その対象を呼ぶためにつけることが多い。そのため、自分に対して、名前をつけようという力は働かない。

しかし、本当の自分と偽りの自分という言葉が示すように、自分が自分から離れていくような現象も起こる。だからこそ、自分の人生を自分に取り戻すために、自分の活動に名前をつけることに意味があるのではないだろうか。

そこから私が実験台となり、自分の作戦名をつけることで、何が変わり、どんな効能を得ることができるのかを試すことにした。

事実、拙著『きみの人生に作戦名を。』は2年以上も前にテーマもタイトルも現在とほぼ同じ形で決まっており、自身による検証を行ってきた。

私は自身に「インナー・コピーライティング戦略」という作戦名をつけて、経営者や起業家と向き合い、自分ができることを試行錯誤してきた。そこで、自分の行動が作戦名によって先鋭化した実感を持つことができ、その考え方と方法を書籍にまとめるに至っている。

自分の人生を振り返り、未来に思いを馳せることで自分軸を見出す。その軸に名前をつけたものが、自分自身の作戦名である。作戦名を検討する過程で、人生を自分の元へたぐり寄せ、自分の手に取り戻すのだ。

作戦名は、自分の人生を愛し、自分のものにし、自らの価値とそこから生まれる未来を自分で指し示すことにつながる。自分の生き方に名前をつけることは、自分のオーナーシップを取り戻すことである。その方法論を簡潔にまとめたものを前回の記事(『続かないと悩む人は「一貫性の罠」にハマっている』)に記しているので、興味のある方は参考にしていただきたい。

自分の人生に責任を持つ。伸びしろを自ら見出し、誰かからの依頼によって行動するのではなく、自らやりたいことを切り開いていく。そのきっかけとして、自らの作戦名を検討することは有効な方法であると確信している。

梅田 悟司 コピーライター・武蔵野大学教授

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うめだ さとし / Satoshi Umeda

1979年生まれ。上智大学大学院理工学研究科修了。広告会社でコピーライターとして活動した後、ベンチャー企業のコミュニケーション戦略の立案を中心とした起業家支援を行う。現在は、武蔵野大学にて、学生起業の支援に加えて、起業家研究を行っている。主な仕事に、ジョージア「世界は誰かの仕事でできている。」、リクルート「バイトするなら、タウンワーク。」、Surface Laptop 4「すべての、あなたに、ちょうどいい。」のコピーライティングや、TBSテレビ「日曜劇場」のコミュニケーション・ディレクターなどがある。著書にシリーズ累計35万部を超える書籍『「言葉にできる」は武器になる。』(日本経済新聞出版社)ほか。

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