57歳で急逝「青山真治監督」ゆかりの人が語る素顔 とよた真帆、宮崎あおいなどが素顔を明かす

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映画を観に行け、お前の目を通して俺に映画を見せてくれというような。映画を見続けるということで、あちら側とつながる仕組みになっている。それは青山作品に限らずですが、いろんな作品を観ることで、生きていくということに感じられる。生涯、何本見続けられるか分からないですが、見続けたいですし、出たい。青山作品に限らず、映画をいっぱい観ていただけたら。

宮崎:『ユリイカ』でもなく、『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』の話でもないですが、(DVD収録の)『サッド ヴァケイション』のメイキングを観られたことありますか?「秋彦の部屋」(映画冒頭に登場する光石研、斉藤陽一郎が北九州弁でアドリブの掛け合いを行った同作の名シーン)って分かりますか?あれが大好きすぎて、最高で。

光石さんも陽一郎さんも最高だし、監督からの2人への信頼みたいなものも見える。2人なら絶対にやってくれるだろうという期待みたいなものとか、監督のニヤニヤしたうれしそうな顔とか。すべてが素敵だったので。機会があればぜひ観てほしい。監督のキュートなところも、お2人のすごいところも観られると思います。

同映画祭では同日に『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』も上映され、そちらの上映では宮崎のほか、浅野忠信、中原昌也が舞台あいさつに登壇。そちらでは浅野が「僕の中では印象深い監督ですし、たくさんいろんなことを教えてもらった。面白いことをたくさんやらせていただいた。もう一緒に映画を作れないということはさみしいことですが、それでもすばらしい作品を一緒に作れたのはうれしいこと」とコメント。両舞台あいさつとも、温かな雰囲気に包まれるひとときとなった。

とよた真帆が語る監督との思い出

今年9月には、東京・京橋の国立フィルムアーカイブで行われたぴあフィルムフェスティバル(PFF)内で「青山真治特集」を実施。『私立探偵濱マイク 名前のない森』の映画版ロングバージョン、『赤ずきん』『路地へ 中上健次が残したフィルム』『WiLd LIFe』『月の砂漠』など、なかなか上映機会のない初期作品が35ミリフィルムで上映された。

9月23日には『EUREKA ユリイカ』と連続してカンヌ映画祭コンペティション部門に出品された『月の砂漠』を上映。映画上映後には同作主演で、青山監督夫人である女優のとよた真帆がトークゲストに来場。貴重な話のエピソードの数々を明かした。こちらもトークの一部を抜粋してみたい。

とよたまほ
青山監督夫人のとよた真帆(写真:ぴあフィルムフェスティバル提供)
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