57歳で急逝「青山真治監督」ゆかりの人が語る素顔 とよた真帆、宮崎あおいなどが素顔を明かす

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「あれだけの才能と勤勉さがある男だから、本来なら身体を大事にして、ちゃんと映画を作るということをやらなきゃいけなかった。身体が悪いというのは知っていたけど、僕から見たら、身体を大事にしていたとは思えなかった。だから悔しかったんです。

僕は『Helpless』の頃から、青山はメジャーと呼ばれるところにいるべき男だと思っていたんで。そうあってほしかったという悔しさがあります」

そうして完成した『背中』だが、“大木”が印象的に登場する。そしてPFFでも上映される青山監督の『私立探偵濱マイク 名前のない森』にも“大木”が重要なモチーフとして登場する。さらに言えば、立教大学の先輩となる黒沢清監督の映画『カリスマ』にも“大木”が登場していた。それはもちろん偶然ではあるだろうが、なぜ立教出身の彼らはここまで“大木”に魅了されたのだろうか。

「黒沢さんがどうかは分からないんですが、青山と『路地へ』のロケハンをやっていた時に僕らは大木、巨木が好きなんだと。あと巨大な淡水魚も好きだという話はよくしていましたね。そういうのがあるんですかね。もちろんたまたまだとは思いますけど。中上とかも向こうに行くと感じるのは“木”なんですよね。そういうのに魅せられる感性のようなものは、僕にも青山にもあって。

僕が中上に惹かれるのは、例えば(「岬」「枯木灘」「地の果て 至上の時」に登場する)秋幸が草木の中で土木作業をしていて。そこで日差しを浴びていると溶けていき、見分けがつかなくなるみたいな描写がありましたけど、ああいうところにグッときてしまうんですよね。それはきっと植物的な、アニミズム的な感性であり、そういうところに僕も青山もどこかで興味があったんじゃないかと思いますね」

映画のみならず小説や音楽など作品は多数

青山監督が手がけた作品は、映画のみならず、舞台演劇、音楽、小説、批評など非常に多岐にわたり、その全貌を検証するにはまだ時間がかかりそうだが、その活動に迫る書籍「青山真治クロニクルズ」(近日発売予定)の発売が予定されている。青山監督の足跡をあらためてたどる機運は十分に高まっていると言えそうだ。

壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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